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<山本敦のAV進化論 第126回>

“ソニーらしさ”を極めたスマホ「Xperia XZ Premium」。開発陣に聞くディープなこだわり

公開日 2017/03/08 12:58 山本 敦
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スペイン・バルセロナで毎年開催されているIT・モバイルの展示会「MWC2017」で、ソニーモバイルが最新スマートフォン「Xperia XZ Premium」を発表した。スマホとして世界初の4K/HDR対応やユニットをまるごと一新したカメラ機能など、ソニーの“エッジの効いたスマホ”が復活を遂げた。「MWC2017ベストスマートフォン」も受賞した、AVファンも唸らせるXperiaフラグシップモデルが誕生した背景を、開発チームに訊ねた。

Xperia XZ Premium ルミナスクロムとディープシーブラック

今回のインタビューに答えていただいたのは、Xperia XZ PremiumのほかにソニーモバイルがMWC2017で発表したXperia Xシリーズの新製品4機種のプロジェクトを統括するソニーモバイルコミュニケーションズ(株)の安達晃彦氏、Xperia XZ Premiumの商品企画を担当する浅野将治氏、カメラの開発を担当した間下健介氏、ディスプレイの開発担当である松原直樹氏とファン・ジェレミー氏の5名だ。

写真右から、ソニーモバイルコミュニケーションズ(株)UX商品企画部門 UX商品企画2部 統括部長 安達晃彦氏/PBG,SW SW開発4部 Camera Technology Marketing課 統括課長 間下健介氏/商品設計1部 デバイス1課 松原直樹氏/PD・商品設計2部 デバイス課 ファン・ジェレミー氏/UX商品企画部門 UX商品企画2部 商品企画課 浅野将治氏

4K・HDR・ハイレゾ対応、ソニーらしさを詰め込んだフラグシップが誕生

今回のインタビューでは、主にフラグシップモデルの「Xperia XZ Premium(以下:XZ Premium)」にフォーカスして話を聞いたが、MWC2017ではほかにもハイエンドモデルの「Xperia XZs(エックスゼットエス)」、約6.0型の峡額縁ベゼルを採用した大判スマホの「Xperia XA1 Ultra」と約5.0型の「Xperia XA1」が発表されている。それぞれの詳細については発表時にお伝えしたニュースでまとめてご紹介しているので参考にして欲しい(関連ニュース)。

MWC2017で発表された端末。左からXperia XZs/Xperia XZ Premium/Xperia XA1/Xperia XA1 Ultra

Xシリーズの大きな改革の中、”4K/HDR対応”をはじめ突き抜けた機能を持つ「XZ Premium」が誕生した背景から安達氏に訊ねた。

「より上位の体験が味わえる端末がXZ Premiumです。“プレミアム”の名称は、2015年秋に発売した『Xperia Z5 Premium(以下、Z5 Premium)』でも対応した約5.5インチという大型かつ4K対応のディスプレイや高機能カメラなど、ソニーのイノベーションを盛り込んだ端末であることを認識していただきやすいように付けました」と安達氏。

デジタル接続の端子はUSB Type-Cを採用する

側面の電源ボタンに指紋センサーを内蔵

なお本機は、今春から世界各地で発売されるが、MWC2017の時点で日本発売の詳細なアナウンスは行われなかった。順当に行けば国内大手通信キャリアを中心に、今年の6月以降に発売される“夏モデル”の中に加わってくることが予想されるが、公式アナウンスを待ちたい。

その際、現行フラグシップの「Xperia XZ」と入れ替わるモデルになるのかは各キャリアの判断にもよるが、筆者の予想では、現行XZとスペックが似ている約5.2インチの「Xperia XZs」が「XZ」と入れ替わるかたちで登場し、そのさらに上位モデルとしてXZ Premiumが加わると考えている。そして恐らくはスタンダードクラスの価格帯で登場するXA1シリーズが、今度は日本でも展開されることになるのか注目だ。

ハイクラスな機能を満載する「XZ Premium」は、ソニーの先端技術の粋を集めた「Xperia Zシリーズ」のコンセプトが復活したことを感じさせるスマートフォンだ。当サイトをご覧の読者の方々も、本機の4K/HDRの映像やカメラ機能をチェックしてみたいと心躍らせているのではないだろうか。

昨年のMWC2016で「Xperia Xシリーズ」を発表した際、「これからはスマホのエッセンシャル(本質的)な機能に磨きをかけていきたい」とソニーモバイルのキーパーソンは語っていた。こうして再び最先端へ突き抜けていくことを目指すことになった背景には、どんな決意があったのだろうか。

「スマホにとってのエッセンスを磨き上げた商品としてXシリーズを展開してきましたが、そもそもソニーのDNAはXシリーズの発表後も基本的に変わっていません。その上で、イノベーションのスピードがとても速いスマホ業界では、ユーザーに様々な新しい体験を味わっていただくために技術進化を徹底追求することは不可欠と考えています」と安達氏は言う。

「そこでまず、今回はカメラまわりの機能とユーザー体験を大幅に刷新することを決めました。そしてディスプレイについても、いまソニーの“ブラビア”をはじめ家庭用テレビの方面でも注目を集める4KやHDRをスマホに採り入れて、その魅力を多くの方々にご理解いただける最良のタイミングになったと判断しました。さらには高速ネットワークへの対応など、ベースの部分でも着実に進化しながら、新しいモバイル体験を提供する端末を全方位に強化しています」(安達氏)

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