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音質や使い勝手をチェック

デノン「HEOS」は、ほかのワイヤレススピーカーと何が違うのか?

公開日 2017/05/01 11:27 山本 敦
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迫力ある本格的なサウンドが魅力の「HEOS 3」

バスレフ方式のエンクロージャーを採用する「HEOS 3」は、カスタムメイドのフルレンジドライバー2基搭載。筐体はHEOS 1より二回りほど大きく、DSP処理によって縦横どちらの向きにも置いてもベストなパフォーマンスを発揮する。

HEOS 3はより大きく、その分、低音の迫力なども増す

「HEOS 1」に比べると、縦横ともにいっそう音が広がる。音の密度も濃く、タイトな低音が素速く立ち上がる。中高域のメロディは抜けがさわやかで、小気味よく躍動する。例えば上原ひろみのジャズピアノは切れ味するどくスリリングだ。

縦置き/横置きに対応。DSPによりそれぞれの置き方に最適な音質を実現してくれる

解像感とパワーのバランスが絶妙で、音楽を俯瞰できるようなリスニング感覚も味わえる。SpotifyのカタログからTOKUの「A Brand-New Beginning」に収録されている『Wings Of Love』を聴くと、ボーカルは精悍でハーモニーも美しく、歌い手の存在感が間近に迫ってくる。スヌープ・ドッグの「Coolaid」から『Two Or More』では、筋肉質でスピーディーなベースラインが押し出してくる。ボーカルから嫌味のない煌びやかさと、エネルギッシュな表情を上手に引き出せるスピーカーと感じた。

また、肉厚でインパクトのある低音が出せるスピーカーなので、しっかりとした安定感のあるラックやスピーカースタンドの上に乗せて聴いた方が「HEOS 3」の持ち味がより活かせると思う。

従来システムをHEOS化できる「HEOS Link」

HEOS Linkは、ユーザーが所有するオーディオシステムをそのまま活かしながら、HEOSのネットワーク周りの機能が使えるようになるユニークなプリアンプだ。

「HEOS Link」

操作はスピーカーと同様にHEOSアプリで行う。同軸/光デジタル出力から音声信号を取り出してHiFiコンポーネントやAVアンプに送れば、より高品位なストリーミング再生環境が構築できる。

据え置きのオーディオ環境に組み込んで試聴してみたが、まずHEOSの使い勝手がこうしたレガシーなオーディオシステムで実現するのがうれしい。音質面も申し分なく、すでに本格的なオーディオ/ホームシアターのシステムをお持ちなら、本機を導入するだけで快適なネットワークオーディオ環境を手に入れることができる。



HEOSシリーズを体験してみて、その手軽さだけでなく音質の面でも、他のネットワークスピーカーよりも一歩先を行く完成度であることが実感できた。その差は長年に渡って音響技術を練り上げてきたデノンの成果が生んだ賜物だ。日常の中で、音楽を聴いて過ごす時間がかけがえのないものであることを、HEOSがもう一度思い出させてくれるだろう。

(山本 敦)

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