HOME > レビュー > クリプトン「KS-9Multi」を聴く ー ハイレゾ全方位対応の小型アクティブスピーカー

【特別企画】MQAなどマルチソースに対応

クリプトン「KS-9Multi」を聴く ー ハイレゾ全方位対応の小型アクティブスピーカー

公開日 2017/03/29 12:59 山之内 正
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
■MQAをはじめマルチな再生ソースに対応したアクティブスピーカー「KS-9 Multi」

そのMQAを含むハイレゾ音源の再生に対応したコンパクトなアンプ内蔵スピーカー「KS-9 Multi」がクリプトンから登場した。エンクロージャーの形状などは既存モデルの「KS-7HQM」と変わらないが、信号処理回路は大幅に強化されている。

外観上はKS-7Multiと大差ないが、内部回路には大きな変更が加えられている

まずはデコード対応の音源を拡充し、MQA以外にDSD(2.8MHz)への対応も実現、PCM信号は最大192kHz/24bitまでサポートする。MQAのデコードは回路規模を2倍に増強したXMOSに割り当て、DSD信号はFPGAのデコード回路が受け持つという具合に、増大した信号処理を2つのデバイスでカバーしている点に注目したい。

FPGA上にはDSPを構成してボリューム回路やデジタルクロスオーバーを実現、独立したデジタルアンプでウーファーとトゥイーターをそれぞれ駆動するバイアンプ方式を今回も採用する。

KS-9 Multiの“マルチ”は、PCM、DSD、MQAなど複数の形式を再生できることを意味するのだが、それに加えて豊富な入力端子が付いた「マルチ入力」のメリットも大きい。USB、光デジタル、アナログ入力にDAPなど大半のソース機器がつながることに加え、他のUSBスピーカーがほとんど対応していないHDMI端子を積んでいる点にも注目したい。

豊富な入力端子を備えていることも特徴だ

KS-7HQMもそうだが、BDレコーダー/プレーヤーを介して映像メディアを楽しむ用途にも活用でき、テレビの音声をグレードアップしたい人にもお薦めできる。サウンドバーやシアターラックとは別格のハイファイスピーカーだが、その気になれば映像ソースのモニター用途に活躍するポテンシャルを秘めているのだ。

KS-7HQMとの外見上の違いとしてはグリルが西新絹織仕様に格上げされたことが目を引くが、対応ファイル形式が広がったことで、本体のLED表示も新しくなった。DSD信号入力時は緑とオレンジ、MQA信号入力時には黄色のLEDがそれぞれ点灯する。

KS-9Multiの内部図

そのほか、デュアル構造を採用したクリプトン製USBケーブル(UC-HRP 1.0m)が付属し、購入してすぐ高音質再生を楽しめるようになったことも嬉しいポイントだ。

クリプトンのデュアル構造USBケーブル「UC-HRP」(1.0m)が同梱される

用途が広いスピーカーなので試聴方法もいろいろ考えられるが、今回は堅固なスピーカースタンドにKS-9 Multiを載せ、実測1.2mの近距離でまずは聴いてみた。デスクトップ設置に近い近接リスニングの環境で、本機がどんなパフォーマンスを示すのだろうか。

次ページKRIPTON HQM STOREのMQA音源で音質チェック

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE