【特別企画】DAVEとの組み合わせも

ULTRASONE「Edition 8 EX」を聴く。ハイエンドヘッドホンの代表的モデルがさらに進化

山本 敦

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2017年01月18日
Edition 8 EX:サウンドインプレッション
 密度も兼ね備えた圧倒的な解像感と、密閉型とは思えない空間表現


では、Edition 8 EXのサウンドを報告しよう。今回はポータブルプレーヤーのリファレンスにAstell&Kern「AK300」を使った。Chord Electronicsの据え置き型DAコンバーターのフラグシップ「DAVE」と組み合わせて限界のパフォーマンスもチェックした。

まずはEdition 8 EXを、Astell&Kern「AK300」などと組み合わせて試聴した

Edition 8 EXは、Editionシリーズらしい解像度の高さと、上品な音の粒立ちを特徴としている。一方で従来モデルよりも懐が深く、密度も濃くなっている印象を受ける。上原ひろみ「Wonderland」では、しなやかなメロディの躍動感と高域の繊細なニュアンスの両方が引き立つ。ハイハットなどの高域は音の粒子がきめ細かく、しかも濃い。分厚い余韻が耳の奥へ滑り込んで広がる。ベースが叩き出すリズムはビシッとフォーカスが定まり、タイトで筋肉質。低音の余韻も爽やかに解けていく。抜群の開放感に、密閉型ヘッドホンで音楽を聴いていることを忘れてしまう。トリオの立体的な位置関係も視覚的に浮かんでくる。

川本真琴「1/2」では、弾き語りによるボーカルとピアノの存在感がとても生々しい。声の質感はウェットでふくよか。ピアノの音も透明で彫りが深い。肉厚なピアノのメロディを包む弦楽器の余韻のブレンドがそのまま素直に描き出される。低音の歪みがなく、強弱のニュアンスも上手に描いてみせる。

ミロシュ・カルダグリッチ『アランフェス協奏曲』は、オーケストラの中心でミロシュのギターが伸び伸び歌う。弱音まで音の粒立ちが鮮明で、ゆったり広がる。聴感上の帯域のバランスがとても自然につながって、まるで平面型ヘッドホンで聴いているようなスムーズさ。コントラバスのインパクトは鋭く立ち上がる。音量を上げなくても十分な音圧が得られる感度の高さ、懐の大きさも特徴としている。

Edition 8 EXを試聴する山本敦氏

ダフト・パンク「Lose Yourself to Dance」を聴いてみても、堂々としたスケール感が伝わる。ボーカルのハイトーンは繊細なニュアンスまでしっかり描き込まれているのだが、幹がしっかりとしていて量感も伴っている。低音のビートは透明度が高く、空間描写にゆとりを生む原動力になっている。どの音も濃度が高く、押し出しインパクトが強いので、EDMやロックの名盤が持つおいしさを逃さず引き出す。これまでのEditionシリーズにはなかった、良い意味でのワイルドさにハッとして、そしてシリーズのサウンドが新しいステージに到達したことを思い知らされた。

ウルトラゾーンが目指す未来を示す、ひとつの到達点と言うべきサウンド

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