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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第168回】恒例のアレやります!「秋のヘッドフォン祭2016」高橋敦の個人的ベスト5

公開日 2016/10/28 11:15 高橋敦
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【第4位】TEACのオールインワンとOPPOの送り出し単体

ヘッドホンもスピーカーも含めたデスクトップオーディオシステムをある程度本格的に組んでみようという方に注目してみてほしい製品が二つ。

まずTEAC「AI-503」は、DAC/BTレシーバー/ヘッドホンアンプ/プリメインアンプなどを一体化し、コンパクト過ぎないコンパクトさにまとめたアイテム。10万円台前半くらいになりそうな気配。スペック的には、USB-DACとしてDSDの11.2MHz、PCMの384kHz/32bitにまで対応し、そしてBluetoothはLDACにまで対応というのが突出したポイント。プリメインアンプのパワーアンプ部はICEpower Class-Dアンプで、「AI-301DA」のそれをおおよそ踏襲しているとのこと。


ブラックとシルバーを用意。ヘッドホン端子はあえての3.5mm。内部でグランド分離になっているとのこと

アナログメーター。ボリュームノブの数値の細かく刻まれた目盛りもかっこいい。ノブ自体は製品版ではもっとよい仕上げにするとのこと
しかし何よりも重要なのはアナログメーターの搭載だ。TEACは新たに展開する「Reference 7」シリーズの第一弾となるネットワークCDレシーバー「NR-7CD」にもアナログメーターを搭載しており、ブランドの顔としてのプッシュを期待したい。

OPPOはESSの最新フラグシップDACチップ「ES9038PRO」を搭載するネットワークプレーヤー/USB-DAC「Sonica DAC」を参考出展。


サイズは右隣の同社ヘッドホンアンプ「HA-1」を少し薄型にした感じ

XLR出力が搭載されており、プロシューマー系パワードモニタースピーカーなどとの組み合わせもしやすそう
こちらは本当にネットワーク/DACのトランスポーターであり、ヘッドホンアンプも搭載していない。昨今では珍しいピュアな構成の製品だ。強いて言えばデジタル段でのボリュームコントロール機能は備えているので、パワードスピーカーやパワーアンプと組み合わせてのプリアンプ的な機能まではカバーできるとのこと。お気に入りのアナログヘッドホンアンプ、パワードモニタースピーカーと組み合わせたシステム構築などにおいて、魅力的なアイテムなのではないだろうか。

【第3位】自作平面駆動の悲劇と超自作DAC

もうヘッドフォン祭名物と言ってもよい「Music With 規格外」ブースの「完全自作平面駆動型ヘッドホン」。今回も色々と改良、、というかさらに病を深めた感じの新バージョンが出展されていた。

…のは束の間の出来事。展示中の事故により初日開場から僅か数時間で破損、音も完全に出なくなってしまったとのことで無念の撤収となった。会場に向かう途中でそれを告げるツイートを読み落胆しつつブースに到着した僕だが、実は今回はもうひとつのお目当てもあった。

一言で言えば「自作DAC」なのだが…

遠目に見ると特に変わったところはないが…

透明トップパネルを覗くと…

それを構成する様々な役割の回路が全てセパレートされモジュール化されそれぞれが独立した基板となっており、そして全ての基板が美しい!

これは±18V直流安定化電源基板

試聴システムとして組み合わされていたヘッドホンアンプも自作でこちらもこの機能美、構築美

使用されているパーツもDACチップはAKM「AK4495EQ」、メインボリュームは東京光音電波のアッテネーター「2P-2511S」、出力トランスはLUNDAHL「LL1538XL」など、出費を惜しまず厳選されている。そして音も、ジャズを繊細さだけに偏らずにゴツさや生々しさも骨太に描き出してくれる見事なものだった。自作勢の層は厚い!

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