レトロな外観に最先端技術を搭載

TANNOY創業90周年を記念する「Prestige GR SuperTweeter」、その効果を分析

石原 俊

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2016年10月25日

■付加による効果を試聴する
音場が垂直方向に伸びてきてここの楽器が精緻に表現される

試聴な輸入元であるエソテリックの試聴室で行った。スピーカーはタンノイのカンタベリーGRを用いた。まずは「使用前」について述べておこう。15インチの同軸ドライバーユニットを擁するカンタベリーのサウンドは完結か雄渾で、何の不足も感じない。音楽のスケールが大きく、低音も十分にある。これで何の不足があるのか、と思わなくもない。

今回の試聴では、タンノイのCanterbury/GR(¥1,650,000・1台/税抜)に組み合わせて効果を確認した

しかしながら本スーパートゥイーターを付加した効果は絶大なのである。水平方向に広がっていた音場が垂直方向にも伸び、一幅の絵を視るようかのような趣を感じさせてくれる。また、完結だった奥行き方向の音像表現が緻密化し、ひとつひとつの楽器が精緻に表現される。

高周波ノイズの侵入を低減させるアース端子を装備。ネットワーク調整用ロックアップネジ、スピーカー端子は金メッキ処理が施され信号ロスを防止している

音楽的に効果があるのは高音よりもむしろ低音だ。チェロやコントラバスの音程が「使用前」よりもはるかに聴きやすくなっている。

■本機を使いこなすポイント
他ブランドのスピーカーで試す場合、濃い「味付け」をしないことが肝心

ゴールド色のモデルはプレステージシリーズのオーナー向けだが、シルバーモデルは汎用機と受け取ることもできるだろう。たとえば大型のエンクロージャーにフルレンジ一発をマウントしたスピーカーに付加しても面白そうだ。ただし他社製品との組み合わせる際は、本機を置く位置に気をつけたい。

レベル調整のコツは「味付け」を濃くしすぎないことだ。レベルと上げすぎると不自然な音になりやすい。調整には少々時間がかかるかもしれないが、そのプロセスを楽しむのがオーディオという趣味なのである。

本試聴を終えて、トータル的なサウンドがゴージャスで、聴いていて豊かな気分になってくるのを感じた。姿が良くて、オーディオ的にも音楽的にも効果的なスーパートゥイーターの誕生を喜びたい。

(石原 俊)


本記事は季刊アナログ51号からの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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