【特別企画】注目UHD BDソフト5作品で画質・音質を検証

パナソニック「DMP-UB900」。ファン待望、国内初UHD BDプレーヤーの実力を鴻池賢三がチェック!

鴻池賢三
2016年09月20日


AVファンが待ちに待った国内初のUHD BDプレーヤー・パナソニック「DMP-UB900」が発売された。DMR-UBZ1で培われたノウハウをベースに、独自の機能を追加するなど、UBZ1ユーザーも羨むプレーヤーに仕上がったUB900。その実力を最新UHD BDタイトルで検証した。

■UBZ1の“エッセンス”が注がれた再生機UB900

パナソニックが世界初のUltra HD ブルーレイ(以下UHD BD)再生対応機「DMR-UBZ1」(以下UBZ1)を世に送り出してから約半年。そのエッセンスを余す所無く注ぎ込んだ再生専用機が「DMP-UB900」(以下UB900)である。

DMP-UB900

国内初のUHD BDプレーヤーであることはもちろん、北米や欧州で発売されているUB900と比べても、電源回路やACケーブルが強化されるなど、眼と耳の肥えたAVファン向け仕様も本機の魅力だ。

待望の再生専用機ということもあり、原稿執筆時点でも品薄状態が続くなど、UHD BDメディアと本プレーヤーの注目度は一際高い。そこで今回は、UB900の実力を改めて検証すべく、パナソニックが本機を開発した拠点に赴き、注目のUHD BDタイトル群をじっくりと視聴した。そしてそこには「リアル」を超える、究極の映像美の世界が広がっていた。

評論家の鴻池賢三氏が画質と音質をチェックした

■本機で再生すると暗部からピークまで的確な明暗表現

『エクソダス:神と王』は、旧約聖書の“出エジプト記”を映像化した、巨匠リドリー・スコットの作品だ。戦闘シーンやクライマックスの水の描写など、作品の見どころは多いが、UHD BDならではの注目ポイントはやはり黄金に輝く甲冑、金属光沢の表現だろう。

HDRでピーク輝度を高め金属の質感をリアルに表現できるように進化したことで、金色がダイナミックな黄金に輝き、神々しさも格段に増す。

金という色は存在しないため、光沢の表現力が鍵を握る。UB900で再生すると、暗部からピークまでの明暗表現が的確に再現される。自然でリアルであるが故、気が付かぬうちに古代神話の世界に惹き込まれ、まるでタイムスリップしたかのようだ。

『レヴェナント:蘇えりし者』は、アメリカ西部開拓期の実話を元にしたサバイバルアドベンチャー作品。自然光のみを用いた、アレハンドロ・G・イニャリトゥ(監督)とエマニュエル・ルベツキ(撮影)らの撮影手法と独特な映像も本作の見どころになっている。

印象的なのは、地・水・火・風・空といった自然の根本と言える要素の描写だ。日の出前の薄暗い森は色を持たないが、色深度の10ビット化も手伝い、暗部のしっとりした明暗表現を淡いブルートーンで描き切る。

特に本機で観る「水」は、空を映す川面の表情と清冽な透明感から、手付かずの自然が持つ生命力をまざまざと感じさせる。大自然の高潔な美しさに加え、厳しさ、恵み、荘厳さが体感でき、是非本機とプロジェクターを組合せたスクリーンサイズでの鑑賞もお薦めしたい。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、近未来の荒廃した世界を舞台にしたSFアクション。ビジュアルは終始「常軌を逸した悪夢」である。その一方でHDRやBT.2020という新しい映像パレットを積極的かつ効果的に採り入れていることに気が付く。

背景は砂漠の黄土色が支配的だが、炎が上がるシーンでは、ピーク輝度で注意を引きつけつつも、赤やオレンジが彩度を失わず、画にアクセントを加えている。また、同シリーズでは個性的な改造車が存在感を放つが、主役とも言える改造車“ウォー・リグ”や“ニュークス・カー”の金属パーツが、容赦なく照りつける太陽光を反射して鋭く光り輝き、狂気の世界をより強く印象付ける。

これでもかという重低音と縦横無尽に展開するアトモスサウンドも強烈の一言。音質パーツ1つ1つにもこだわった本機の真価が味わえると同時に、本機があれば、現実世界で体感することの無い、“マッド”な非日常に飛び込むことができる。

■圧倒的なHDR描写と音質はバーチャルリアリティの領域

『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』は、誰もが知るアメコミ2大スーパーヒーローが激突する娯楽大作である。しかし映像クオリティは“娯楽”には似つかわしくない非常にハイレベルな仕上がり。

70mmフィルムによるIMAX撮影シーンを含む3層100GB仕様。動きの少ない場面にもたっぷりとビットレートが割かれ、密度感と重厚さは格別である。何気ないシーンもハイライト部分が飽和せず色と立体情報が豊かで、絶妙なライティングと相まって、フィルムライクな映像美を引き出している。

作品後半で展開される稲光や爆発、ビーム光線等のHDR描写は暴力的で立ち眩みを覚えるほど。それはまるでSDRという規格の中に閉じ込められていたヒーロー達がその枠を飛び出し、我々のすぐ目の前で躍り戦っているかのような体験なのだ。

『宮古島 〜癒しのビーチ〜』は、映像も音も最高スペックを追求した自然映像の作品。撮影はシネマ用デジタルカメラ「CineAlta F65」を用い、4K/60pで収録。音声は100kHz対応のマイクロフォンを使い、192kHz/24bitの5.1chサラウンドで収録されている。

視聴すると、砂浜に打ち寄せる波は刻々と形を変え、やがて波頭を白濁させて消えて行く様子が非常にリアル。60pは自然が持つ複雑な動きを克明に描き出すことができ、実際の光景を目の当たりにするかのようなリアリティである。陽光を照り返す砂浜の輝き、空と海の深い紺碧も、新世代を感じさせる映像美だ。

空間を満たして揺らぐ波の音も実に心地良く、高S/Nでワイドレンジな音に酔いしれる。ホームシアターはバーチャルリアリティの域に達したと悟った。

■今こそUHD BDを楽しめ! 躊躇している暇など無い!

UBZ1で切り拓かれたUHD BDの極上クオリティが、UB900の登場により一段と身近になった。チップ構成の最適化によるUHD BDの高速読込みや詳細情報表示機能、4Kネット動画の映像調整対応など、実はUBZ1をも凌ぐスペックを備えるUB900。開発陣はUHD BDの分野においても、世界のトップランナーとしての誇りを持ち、その実力の高さも今回の視聴で再認識することができた。

北米では既にUHD BDタイトルが100に迫る勢いであり、国内でもコンスタントにUHD BDの新作タイトルが発売され始めている。UB900は、それらUHD BDソフトが持つ映像と音声を極上のクオリティで楽しませてくれる再生専用機である。真のAVファンであれば、UB900を使いUHD BDという新時代のフォーマットを堪能することに躊躇している暇など無いのだ。



【DMP-UB900 DETAIL】

■パナソニック独自の補間処理技術「4Kリアルクロマプロセッサplus」

UHD BDソフトや配信される4Kコンテンツに対し、独自のマルチタップ処理でクロマ信号を補間する4Kリアルクロマプロセッサplus。4:2:0信号を、高精度に4:4:4信号に補間することで、輪郭部の偽色を低減し、キレのいいクリアな色再現を生み出す

■ダイナミックレンジ変換

従来のテレビ(HDR非対応テレビ)でもUHD BDのHDR映像が楽しめるよう、独自の変換機能を搭載。±12ステップを用意し、輝度や階調が微調整できる

■7.1chアナログ音声出力

HDMI 2系統出力に加え、7.1chのアナログ音声出力を搭載。192kHz/32bitのDACを5つ採用し、高品位なDA変換とアナログ出力を可能にした

■UB900だけの高品位音声パーツ

UB900には、UBZ1にも採用されている高音質パーツを注入。ルビーマイカコンデンサ(写真左上)やOFC電源トランス(写真右上)、大容量スイッチングMOSFET(写真下)などを搭載することで、引き締まった力強い低音とノイズレス・ワイドレンジなサウンドを実現した

■詳細情報表示に対応

UHD BDソフトなどのコンテンツを再生中に、リモコンの再生情報ボタンを押すことで、ディスク情報・HDMI出力情報を表示することができる

■取材協力

甲野和彦 氏(パナソニック株式会社 アプライアンス社 ホームエンターテインメント事業部 ビジュアル・ネットワークビジネスユニット 商品技術部 主幹技師)

宮本真吾 氏(パナソニック株式会社 アプライアンス社 ホームエンターテインメント事業部 ビジュアル・ネットワークビジネスユニット 商品技術部 ハード設計一課 主任技師)


(提供:パナソニック株式会社)

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