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ハイレゾ対応のハイブリッド型イヤホン

AKG「N40」とリケーブル6機種を組み合わせテスト!フィルター交換による音の変化も検証

公開日 2016/08/31 10:00 野村ケンジ
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メカニカル・チューニング・フィルターの交換による音の変化を検証

N40には、「REFERENCE(リファレンス)」「HIGH BOOST(ハイ・ブースト)」「BASS BOOST(バス・ブースト)」という3タイプのメカニカル・チューニング・フィルターが付属している。これを交換することで好みの音色傾向へと変更することができるというわけだ。

メカニカルチューニングフィルター。ハイ・ブースト(写真一番下)から順に1層・2層とフィルターの網目が濃くなっている

標準装着の「REFERENCE」に対して、「HIGH BOOST」「BASS BOOST」はどのような音色傾向の違いを持つのか、2つのプレーヤーを使って試聴しながら確認していった。

フィルターはネジ式で簡単に取り換えが可能だ

メカニカル・チューニングフィルター・フィルター(1)
「REFERENCE」



まずはデフォルトで装着されている「REFERENCE」の特徴から。非常にバランスの良いサウンドだ。K3003で驚かされた、イヤホンなのに音の自然な広がり感を持つというAKGらしい音場感を受け継ぎつつ、フォーカス感と量感の高さを巧みに両立した低域によって、メリハリの良い、躍動感あるサウンドを楽しませてくれる。

高域は突き抜け感や存在感はしっかりとしているものの、やや聴きやすい方向に振られているのが最新のトレンドを見据えたものだろうか。その分、K3003ほど音の厚みは感じられないものの、クオリティは十分以上と言える。

メカニカル・チューニング・フィルター<2>
「HIGH BOOST」



REFERENCEのサウンドキャラクターをベースにしつつ、高域の開放感を高めたイメージだ。結果として、音の広がり感が高まるのと同時に、金管楽器などが突き抜け感のある、印象的な演奏になった。

ヴォーカルについては、ちょっとしたハスキーさを持ち合わせたまま重心が高域へシフトし、声質が変わる。特に女性ヴォーカルは、アーティストによって生々しくリアルな声になる場合と、普段の声質から印象が変わる場合があるなど、音源によって多様な変化を感じた。良く聴く楽曲や好みに応じて使い分けるといいだろう。

メカニカル・チューニング・フィルター<3>
「BASS BOOST」



こちらもREFERENCEの音調をベースとして、低域を強調している。加えて、音の迫力や勢いが増すとともに、重心の下がったサウンドに変化する。結果として、ヴォーカルの歌声が落ち着いた印象に変化し、アーティストによっては自然でリアルな歌声に感じられるようになった。

ハードロックやジャズでは低域がやや強めのバランスとなるが、クラシック系の楽曲ではむしろフラットに感じた。騒音レベルの高い環境では、こちらの方がベストと感じるユーザーもいるだろう。電車内や屋外で多く使う場合など、環境に応じて使用したいフィルターと言える。

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