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<山本敦のAV進化論 第101回>

ソニーの“アナログ時計なスマートウォッチ”「wena wrist」を試用。プロジェクトリーダーに話も聞いた

2016/08/08 山本 敦
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「Apple Watch」が発売されて約1年半が過ぎた。スマートウォッチの人気もすっかり落ち着いたかと思っていたら、久々に話題を呼ぶスマートウォッチが現れた。ソニーの「wena wrist」だ。

ソニーのアナログ時計とウェアラブルデバイスの先端テクノロジーを融合したスマートウォッチ「wena wrist」

企画者でもあり、プロジェクトリーダーを務める對馬哲平氏にも話を訊いた

■バンドに先進技術を詰め込んだアナログ時計

ソニーのスマートウォッチといえば、グループ会社であるソニーモバイルコミュニケーションズが商品化したAndroid Wear搭載の「SmartWatch 3/SWR50」が先に発売されているが、wena wristはまったく異なるコンセプトをベースに開発された製品だ。ソニーの新規事業創出プログラムから生まれ、クラウドファンディングとEコマースのサービスであるFirst Flightでプロジェクトが成立し、今年の6月30日から正式販売を開始している。

1台のスマホにwena wristとSmartWatch 3を同時にペアリングできる。wena wristのリストバンドにSmartWatch 3のヘッドが装着できたら、筆者個人としては最強だ

一見するとアナログの腕時計のように見えるが、実はバンドにスマートな先進技術の粋が詰まっている。IT/IoTの先端テクノロジーは、ややもすれば1年、それどころか半年のサイクルでトレンドが入れ替わり、採用する製品もあっという間に旬の時期を終えて陳腐化してしまいがちだ。

ペアリングに必要なPINコードは本体に刻印されている

ペアリング後、正常動作状態でボタンを押して確認すると青色のLEDが点灯する

一方、腕時計は身に着ける人のファッションセンスやアイデンティティの象徴的なアイテムだったりもするので、気に入ったものは長く使っていたい。そこで、時計のヘッド部はかっこよくて機能的なデザインにこだわり、テクノロジーの進化に対しては、エレクトロニクスのコアを搭載するバンドを交換するというアプローチにより、スマートウォッチの根本的な課題を克服することをテーマに掲げた製品がwena wristだ。

商品のバリエーションは文字盤のタイプが異なるクロノグラフとスリーハンズ、カラーはそれぞれにシルバー/プレミアムブラック/ホワイト(スリーハンズのみ、First Flightでの限定販売)の3色カラーバリエーションが揃う。

文字板に3つの小さなインダイヤルを配置したクロノグラフ・モデル

本体の材質はステンレススチール。最も安価なスリーハンズのシルバーは42,800円(税抜)から、フラグシップのプレミアムブラック/クロノグラフが69,800円(税抜)まで、価格展開も幅広い。

■フォーカスしたのは「3つの機能」

wena wristは「3つの機能」にフォーカスしたスマートウォッチだ。一つはソニーによる非接触ICカード技術方式である「FeliCa」対応の電子ウォレットである。バンドのリスト部をリーダー端末にかざすだけで買い物ができる。

ふたつめは振動とLEDの点灯により、ペアリングしたスマホの通話着信やメール受信などを知らせるノーティフィケーション(通知)機能だ。wena wristは液晶ディスプレイを搭載していない代わりに、シンプルなLEDの点灯と振動で通知を知らせてくれる。

電話の着信時に赤色のランプが点灯するように設定したところ。「LINEは緑色」といった具合にアプリごとに設定できる

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