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<山本敦のAV進化論 第82回>

「PlayStation VR」発売間近、準備は順調! SCE吉田プレジデントが語る開発の裏側

2016/01/29 山本 敦
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「まずPS VRそのものをコントローラーとして使い、頭の動きで“Yes/No”を表現してゲーム中のキャラクターとコミュニケーションするパターンがあります。没入感を損なわないように、画面上にはゲームのUIを極力表示しないようにしています。

また、PS4標準のコントローラー『DUALSHOCK 4』を使う場合は、コントローラーに搭載されているライトバーをPlayStation Cameraがトラッキングしながら正確な操作を実現します。ゲームによってはVR空間の中にコントローラーをそのまま表示したり、別のグラフィクスに置き換える手法も考えられると思います」(吉田氏)

DUALSHOCK 4のライトバー部もPS VR連携を見据えたもの

またPS Moveを使って、VRの世界の中にあるオブジェクトに“触れたり・掴んだり”できるゲームもある。今回の取材では現在開発が進むゲームタイトル「The London Heist」を試遊しながら、これを体験することができた。

本作は主人公の目線でロンドンのギャングたちと戦うガンアクションゲーム。PS Moveを2つ揃えてコントローラーのボタンを押し込むと拳銃のトリガーを引いたり、予備のマガジンを掴んでグリップのところにガチャッと装填したりと、VR空間のアクションを起こせる感覚がたまらなく気持ちいい。気が付いたらゲームの世界へ無防備に引き込まれていた。

いわゆるFPS(First Person Shooting/一人称視点のシューティング)ゲーム。PS Moveのボタンで物を握る/離す、銃を撃つなどの操作を行う

おそらく特定のゲームの操作に対応する専用コントローラーも、PS VRの発売とともに数多く登場することになるだろう。今年のCESの会場を歩いていても沢山のベンチャー企業がVRゲーム用の独創性豊かなコントローラーデバイスを展示して、精力的に開発費を集めていた。VR関連のビジネスで一攫千金を狙う機運がアメリカを中心にヒートアップしつつある。

アメリカのベンチャー企業、VutrixがCESの会場に参考出展していたVRヘッドセットを装着したまま駆け回れるランニングマシンのようなコントローラー。様々なVRコンテンツ用のコントローラー市場も今後ヒートアップしそうだ


■PS VR発売までのカウントダウンは順調

PS VRの発売を間近に控え、吉田氏は「ついにこの時がやってきた」と勢い込む。

「PS VRは、ハードとしてはほぼ完成しています。あとは現段階で必要なシステムソフトの最終調整や、ゲーム開発者の方々へのサポートを着実に行いながら準備を進めています。それぞれに目処が立った時点できちんとご案内したいと考えています」と、吉田氏はPS VR発売までのカウントダウンが順調に進行していることをアピールしている。

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