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<山本敦のAV進化論 第82回>

「PlayStation VR」発売間近、準備は順調! SCE吉田プレジデントが語る開発の裏側

公開日 2016/01/29 11:40 山本 敦
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ラスベガスで開催されたコンシューマーエレクトロニクスショー「2016 International CES」でも、「VR(バーチャル・リアリティ)」はひときわ注目を集めるトピックだった。

CESのソニーブースに展示されていたPS VR

CES会場に特設されたサムスン「Gear VR」の専用シアターも大盛り上がり

ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PlayStation VR」や、オキュラスの「Oculus Rift」、そして昨年末に本連載でも紹介したサムスン「Gear VR」の体験展示には連日長い列ができていた。今年はきっとコンシューマーベースでの体験が広がっていく「VR元年」になるだろう。本連載でもVR関連のネタを積極的にピックアップしていきたい。

連日賑わいをみせていたCESのオキュラスブース

今回はおそらく多くの読者も気になっているであろう「PlayStation VR」にフォーカスし、(株)ソニー・コンピューターエンタテインメント(以下SCE)ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏にインタビューした。また実機をじっくり体験する機会も得られたので、その感想もレポートしたい。(※なお、SCEは4月からの社名変更を発表している

SCEワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平氏

■発売が迫る『PS VR』

「PlayStation VR(以下:PS VR)」は、「PlayStation 4」(PS4)本体や「PlayStation Camera」を組み合わせて、仮想空間内で様々なコンテンツが楽しめるようになるVRシステムだ。ゲームなどをプレイする際には、ワイヤレスコントローラー「DUALSHOCK 4」、もしくは「PlayStation Move」(PS Move)コントローラーなどを利用する。2016年上半期の発売が予告されているが、価格などの詳細についてはまだ発表されていない。

製品はVRヘッドセット本体と、別筐体のプロセッサーユニットにより構成。設置方法はプロセッサーユニットを経由して、VRヘッドセットをPS4にHDMIとUSBケーブルでつなぐことになりそうだ。

PS VRとヘッドホンを装着したところ

VRヘッドセットのディスプレイは解像度が1,920×1,080ドットの5.7型有機EL。左右の目それぞれに960×1,080ドットの映像を表示表示する。PS4から出力される映像にはあらかじめディストーションがかかっており、VRヘッドセットのレンズを通してみることで、360度全天球映像を作りだす。

視野角は約100度で、120fpsのハイフレームレート表示により仮想空間への自然な没入感が得られるのが特徴だ。ヘッドセット本体にはプレーヤーの体の動きを検知する加速度センサーにジャイロセンサーが内蔵されている。

■PS4は最初からVRを見据えて開発が進められていた

はじめにSCEのPlayStationシリーズの“次の一手”が「バーチャルリアリティシステム」となった経緯から吉田氏に振り返ってもらった。

次ページPS4本体に用意されていたVR実現のための“仕込み”

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