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【特別企画】海上忍が試してみた

音楽リスニングだけじゃない! ボーズ「QC25/QC20」で満喫する“3つ”のノイキャンライフ

公開日 2015/12/25 14:01 海上 忍
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▼その3:人がたくさんいる屋外を自分だけの音楽空間に


<こんな使い方がオススメ>
・映画やドラマのロケ地巡りをしながら、作品のサントラを聴く
・アニメの聖地巡礼をしながら、その場所にまつわる楽曲を聴く
・思い出の場所で、思い出の音楽を聴いて“あの頃”に没頭する


■音楽があれば心象風景も変わる。どこにいても自分だけのライブ空間が作れる

ユーレイルパス片手に、1ヶ月ほど欧州をひとり旅したことがある。行く先々が趣深く、四半世紀近く経過したいまでも各地の景色は記憶に残るが、なかでも鮮明に思い出されるのは寝台車パブロ・カザルス号の車窓から眺めた早朝のリビエラ海岸だ。

その景色とセットで思い出される曲がある。カセットテープ(!)のウォークマンで聴いていたPat Metheny Groupの「Minuano(Six Eight)」だ。いまもこの曲を聴くだけで、車窓から入る朝の凜とした空気、そして陽光映える地中海の眺望が鮮やかに脳裏に浮かぶ。映画音楽がストーリーを味わい深くするように、そのとき流れる音楽が景色に彩りを添え、記憶の中で一体不可分の関係となったからだ。

日曜日、ふと思い立ち湘南方面へ向かった。自宅から小一時間ほどの小旅行だが、江ノ電・鎌倉高校前駅から海を見たかったからだ。ポケットにはQC20とiPhone、もう理由はわかるはず。駅ホームから相模湾を眺め、あのときのリビエラ海岸をもう一度、というわけだ。

江の電に乗って鎌倉高校前駅へ(写真:筆者提供)

音楽を聴く程度だったら普通のイヤホンでもいいのでは…という声が聞こえてきそうだが、それは見込み違いというもの。鎌倉高校前駅は目の前に幹線道路が走り、静かな海は期待できない。しかも、いまや外国人が多数訪れる観光名所であり、周囲を飛び交うのは日本語だけではない。それに、曲を大音量で流してはリビエラ海岸の記憶が遠のいてしまいかねない。

意を決して鎌倉高校前駅ホームに降り立ち、QC20を装着して「Minuano(Six Eight)」の再生を開始する。思惑どおり、手もとのスイッチを入れるやいなや眼前を走る車のロードノイズはほぼ聞こえなくなり、ベンチの周囲から人の声も消えた。打ち寄せる波の音こそ聞こえないものの、代わりに控えめな音量でPat Methenyの軽妙なギターとPedro Aznarの澄んだ声が耳もとを満たし、往時の記憶を蘇らせる。

QC20

鎌倉の海の前に、思い出の音楽を楽しむ(写真:筆者提供)

音は景色を変える。心に染みる音楽はなおのこと、ただし適度な音量でさり気なく聴きたいもの。それを実現できるのは、おそらくアクティブノイズキャンセルヘッドホン/イヤホンのみ、そしてQC20が適役だろう。

(海上 忍)

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