HOME > レビュー > 【レビュー】iPhoneで手軽にハイレゾ! ロジテック「Lightningオーディオアダプター」を試す

「LHP-CHR192/AHR192」をテスト

【レビュー】iPhoneで手軽にハイレゾ! ロジテック「Lightningオーディオアダプター」を試す

公開日 2015/12/04 11:00 山本敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

最後にクラシックは、「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 アレクシス・ワイセンベルク/ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリンフィル」のピアノコンチェルトから『第1楽章:モデラート』を聴いた。

付属のエレコム製イヤホンは特に中高域の解像感を引き立たせる傾向。一方のXBA-Z5はよりソリッドで力強い音のアタック感に、びしっとフォーカスが絞られるようだ。iPhoneのイヤホン端子で聴いたときと比べ、組み合わせるイヤホンの特性がはっきりと顔をのぞかせるのが面白い。

本機のオーナーになった方々はぜひ、手持ちのヘッドホンやイヤホンを、一度全部このLightningオーディオアダプターにつないで聴き直してみることをおすすめしたい。

シャツ(左)や部本のポケット部(右)など、回転するクリップを使って様々なところに取り付けられる


ピアニストが鍵盤に触れる指先まで、映画のワンシーンを見ているみたいにリアルなイメージとともに頭の中に描かれる。音のアタックは肉付きが良くなって、ピアニッシモの微小な音まで音像がふっくらとしてくる。演奏の終盤にかけて徐々に高まっていくボルテージと壮大なスケール感も、キャパシティの大きなLightningオーディオアダプターを通すことで、まるで生の演奏が生まれる空間の中で体験しているようなリアリティが、イヤホンリスニングにも関わらず味わえた。

グループのエレコムでは独自にハイレゾ対応のプレーヤーアプリ「Elecom Hi-Res Music Player」を開発した。現在は無償版のアプリがApp Storeからダウンロードできる。当初はシンプルに、192kHz/24bitのFLAC/WAV形式のハイレゾファイル再生機能にとどめているが、これはハイレゾを楽しむためのハードルをできる限り低くするため、無料で提供できる機能を可能な限り盛り込んだ「第1ステップ」なのだという。今後、有償アップデートにより「第2ステップ」への進化も予定している。具体的にはDSDネイティブ再生やイコライザーなどの機能追加が行われるようだ。

製品企画当初は、イヤホンとアンプを一体化させ、手軽に使えるLightning直結型イヤホンも検討したのではないか。だが、単体のLightningオーディオアダプターとしたことで、ユーザー愛用しているイヤホンと組み合わせ、iPhoneに直付けした音と、Lightningオーディオアダプターを通した音を比べることが可能となった。この判断によって、製品価値がより高まった。



ハイレゾに限らず、スマホで楽しむあらゆる音楽は、良質なオーディオ機器と組み合わせれば、さらにその真価を発揮できる。この楽しさが、より多くの音楽ファンに伝わってほしいと思うし、それを安価に、かつ手頃に実現できるのが今回のロジテックの新製品だ。

iPhoneとポタアンを組み合わせ、あの手この手でハイレゾ環境を磨き上げている中上級者も、じっくり耳を傾ける価値は十分にある。愛用のハイレゾ対応ヘッドホン・イヤホンを使い、その実力をシビアに評価してみてほしい。

前へ 1 2 3 4

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: