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「LHP-CHR192/AHR192」をテスト

【レビュー】iPhoneで手軽にハイレゾ! ロジテック「Lightningオーディオアダプター」を試す

2015/12/04 山本敦
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スマホは、今や屋外で音楽を聴くオーディオプレーヤーとして、最も一般的な機器になった。昨年頃からハイレゾ対応Androidスマホが増えはじめ、音楽ファンにハイレゾの魅力を伝える立役者となってきたが、一番人気のiPhoneがまだハイレゾに対応していないため、爆発的な普及にまでは至っていない。

iPhoneで手軽にハイレゾ音源が聴けたら、音楽を“いい音”で楽しむことがより簡単になる。ロジテックがZIPPOより小さいサイズのハイレゾ対応DAC内蔵ポタアン「LHP-CHR192」「LHP-AHR192」を開発・発売した背景には、そんな開発者の想いがある。

エレコムのハイレゾ対応EHP-CH2000ベースのイヤホンを同梱するのが「LHP-CHR192」、本体のみのモデルが「LHP-AHR192」。それぞれにシルバーとゴールドのカラーバリエーションを揃えている。

ロジテック「LHP-CHR192」「LHP-AHR192」アンプ部(シルバー)

同ゴールド

ポタアン本体には192kHz/24bit対応のDACが内蔵されており、iPhoneをはじめLightning端子を備えるiOS機器に直結し、反対側にイヤホン・ヘッドホンをつなぐだけで、ミニマムなハイレゾ再生環境が構築できる。

アンプ単体の「LHP-CHR192」の場合の接続イメージ

持ち運び用のポーチも同梱する

Lightningケーブルは本体に固定されており、iPhoneからはデジタルオーディオ信号と電力の供給を受ける。本体側に電源が要らないので、接続や操作はとてもシンプルだ。

また当たり前のことだが、スマホはオーディオ機器である以前に、LTE/3GやWi-Fiで様々な電波を受信する通信機器であり、超高速なクロックで動作するプロセッサーも内蔵している。音楽再生にとって不利なノイズの発生源を多く抱えている。

このためPCオーディオと同じように、ノイズ源である再生機器本体と切り離した、外付けタイプのDAC/アンプを接続することでノイズの影響が抑えられ、よりクリアな音楽再生が行える。スマホで直接再生するより、ロジテックのLightningオーディオアダプターを併用した方が音のクオリティアップにつながるというわけだ。これはハイレゾ音源だけに限った話ではない。

AKMのDACを搭載。ノイズ源であるスマホと切り離すことで高音質化

内蔵DACチップは、音質に定評ある旭化成エレクトロニクス「AK4430ET」が選ばれた。ハイレゾ対応スマホの場合、製品トータルのコストバランスを考慮し、DACやアンプといったオーディオ関連チップのコストを抑える場合が多い。本機はDACチップにもしっかりとコストをかけており、まずこの時点で音質の差として表れてくる。

ロジテックは、なぜAKMのDACチップを選択したのだろうか。開発を担当したロジテックの遠藤稔也氏に理由を聞いた。

アップルではLightning端子に直結して使うアクセサリーの基準として、バスパワーで駆動させる場合、駆動電力を定常的にある値以下に抑えなければならないというルールを設けているという。

もし消費電力を低くすることだけが条件なのであれば、USBオーディオインターフェースとDACを統合したモバイル向けICチップを選ぶこともできたが、ロジテックでは192kHz/24bitのハイレゾ再生に対応することにもこだわった。その結果、低消費電力とハイレゾ対応の両方を満たすチップという条件に、AKMのDACがピタリと合致したのだという。チップ自体は決して安価ではないため、商品としてのトータルコストバランスを整える苦労は並大抵ではなかったはずだ。

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