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【特別企画】SPとCDプレーヤー各3機種でスクランブルテスト

ヤマハ新プリメインアンプ「A-S1100」を人気CDプレーヤー&スピーカーと組み合わせテスト

公開日 2015/08/21 10:39 山之内 正
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▼ケンブリッジオーディオ「Azur 851C」×A-S1100

次に、ケンブリッジオーディオの「Azur 851C」とA-S1100の組み合わせを聴く。Azur 851Cはデジタル入力とプリアンプ機能を内蔵する多機能CDプレーヤーで、同社の最上位モデルとして人気が高い。外部入力も含むデジタル信号のアップサンプリング機能が特徴で、従来機種と同様、アナグラムテクノロジーの技術を活用した音質改善に力を入れている。

Azur 851C

実際に聴き比べてみるとよくわかるが、CDプレーヤーを変えたときの音の違いは思いがけず大きい。DCD-1650REからAzur 651Cに変えると、音像が引き締まると同時にエネルギーが中域に集まり、音のたたずまいが一変。旋律を中心に音楽をゆったり聴かせつつ、いざというときはメリハリも利かせる。情報量とレンジ感を誇示する音調とは対極にあるが、どんな音源でも音像が広がり過ぎないので、緩慢な印象にはなりにくい。そのあたりのチューニングは手慣れたもので、音楽の楽しさを伝える術は心得ている。

ケンブリッジオーディオ「Azur 851C」との組み合わせ

アナログ録音のジャズとの相性が良いのは期待通り。ベースのサポートが軽快なのでリズムが重くならず、ソロ楽器のフレーズに勢いが乗る。サックス、トランペットはタイトな音像ながら中域の太さと力強さを確保し、一歩手前に浮かぶイメージが生々しい。SACDに比べると輪郭が太めだが、このアルバムではそれがプラスにはたらいている。

バッハのオラトリオは低弦の明瞭なアタックで強弱の起伏をはっきり表現しつつ、木管と声楽が織りなすハーモニーは濃密で柔らかい。剛と柔の対比の妙はまさにバロック音楽の本質で、そこを確実に押さえた表現には説得力がある。A-S1100は中低域のエネルギーが充実しているため、中域だけでなく、合唱のバスと低弦からも十分な量感が伝わってきた。

女性ヴォーカルはウォームな感触が耳に心地良い。ムジカ・ヌーダのベースはテンションが緩めながら過剰な重さはなく、声にかぶったり音がまわり込む心配はない。個人的にはもう少し芯のある低音が好みだが、ゆったり音楽にひたれる良さはある。

次ページ最後はマランツ「SA-14S1」との組み合わせをもう一回確認

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