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【特別企画】SPとCDプレーヤー各3機種でスクランブルテスト

ヤマハ新プリメインアンプ「A-S1100」を人気CDプレーヤー&スピーカーと組み合わせテスト

公開日 2015/08/21 10:39 山之内 正
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▼KEF「R300」×A-S1100

次に組み合わせたKEFの「R300」は、フラグシップ機Bladeの設計思想を受け継ぐRシリーズのブックシェルフ型スピーカーで、おなじみのUni-Qドライバに加え、165mm口径のウーファーを採用することで再生レンジの拡大を図った製品だ。同軸型の明瞭な音像定位と3ウェイ構成ならではのスケール感をどこまで引き出せるか、興味は尽きない。

R300

R300でショスタコーヴィチの交響曲第7番を聴くと、低音楽器の下支えが厚く、マッシブな迫力とともにオーケストラのサウンドが前に出てくる。量感ではフロア型にかなわないかもしれないが、音が出る瞬間のスピードが大きいので、勢いでは負けていない。さらに、最低音域がブックシェルフ型としてはかなり低い音域まで伸びているため、思いがけずスケールの大きな響きが生まれるのだ。A-S1100と組み合わせて管弦楽を聴くなら、R300はとても良い選択になるだろう。

KEF「R300」と組み合わせて試聴しているところ

ヴォーカルとの相性の良さは期待通りだ。点音源の同軸型ユニットならではの明瞭な音像定位と、その周囲に広がる自然な余韻が素晴らしい。特に、ベース1本の伴奏で歌うムジカ・ヌーダのアコースティックな感触は素晴らしい。イメージは引き締まっているのに、表情が伸びやかに伝わってくるのは、微妙なニュアンスを忠実に再現するA-S1100ならではの美点だ。ジェニファー・ウォーンズは低い音域まですっきりとして、CM5 S2のゆったりとした雰囲気とは異なる。

ジャズとも相性が良い。SACD化された『ブルートレイン』のサウンドは細部まで密度が高く、ホーン楽器群の生々しいアタックが聴きどころだ。特にサックスは楽器のイメージがキリッと引き締まり、立体的な音像でコルトレーンの演奏の特徴をストレートに再現。カーティス・フラーのトロンボーンもアタックが生々しく、ベルの向きが見えるようなリアリティがある。ベースが過剰にふくらまないのでテンポがもたつかず、音楽が自然に前へ進む感覚が心地良い。

次ページスピーカーの最後はエラック「BS263」

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