HOME > レビュー > 5,000円の手のひらコンピュータ「Raspberry Pi」で自作オーディオを始めよう!

海上忍のラズパイ・オーディオ通信(1)

5,000円の手のひらコンピュータ「Raspberry Pi」で自作オーディオを始めよう!

公開日 2015/07/03 11:11 海上 忍
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■中身はLinuxだけど…

Linuxなんてとてもとても、という声が聞こえてきそうだが、「Volumio」という音楽再生に特化したLinuxディストリビューション(さまざまなコマンドやアプリケーションを含んだ配布物、無料)を利用すれば心配はいらない。ダウンロードしたイメージファイルをmicroSDに書き込み、そのmicroSDでRaspberry Piを起動すれば、LANケーブルを挿すだけでポータブルなネットワークプレーヤーに早変わりする。

この「Volumio」は、MPDというクライアント/サーバ型のオーディオ再生環境を軸に動作する。WAV、FLAC、DSDといったハイレゾ音源はもちろん、M4A(AAC/ALAC)やMP3、Oggなど多種多様なフォーマットを再生できる。曲操作にはWEBブラウザやアプリを使えるので、同じLANに接続したPCやスマートフォンがあればいい。AirPlayレシーバーとしても機能するので、サービスが始まったばかりの「Apple Music」も、iPhoneから飛ばすことで楽しめる。DLNAの各種機能(DMP、DMRなど)も利用可能だ。

AirPlayで飛ばせば、最近スタートした「Apple Music」も楽しめる。半日ほど連続再生してみたが、一度も音飛びはなかった

音楽再生を担うシステム「MPD」が対応するオーディオフォーマットの一部。ざっと眺めただけでも、充実度はうかがえるはず

とはいえ、少しヒネった設定に変えようと思うと、Linuxとしての素地が剥き出しになることは確か。筆者はLinux/UNIXに長年慣れ親しんでいるので(実はそちら方面の著作が多い)、抵抗はまったくないどころか歓迎だが、コマンドを利用して設定ファイルを書き換えるなど、"そっちの世界"に無縁な人にとってハードルが高いことは事実だ。

そこで、USB-DACとの組み合わせで音楽を聴くための基本的なノウハウを詰め込んだ電子書籍を作ってみた。Amazon(Kindleストア)限定だが、iPhone/iPadやAndroid、WindowsにMacなど主要なプラットフォームで読めるので、興味があればぜひご一読いただきたい。企画から執筆・編集、CSSのコーディングなど制作まですべて筆者1人でこなしており、この"ラズパイ・オーディオ"がどれほどテンションをあげてくれたか、察していただければ幸いだ。

上がってしまったテンションに後押しされ、電子書籍をつくってみました。Amazon Kindleストアで販売中です!

▼「Raspberry Pi 2対応 Raspi Audio 導入編」海上忍著
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B010NF9W8C

次ページなんでもアリが魅力、PCオーディオの進化形

前へ 1 2 3 4 5 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE