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Apple Watch レビュー|腕時計でもウェアラブル端末でもなく

2015/04/27 海上忍
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■Apple Watchの「音楽端末」としての価値は?

結論からいうと、Apple Watchの「音楽端末」としての価値はかなり高い。先行するAndroid Wearベースの端末と比較すると、新味に乏しく映るかもしれないが、Apple WatchにはiTunesとiTunes Storeが背後にある。その点を踏まえれば、見え方が変わってくるはずだ。

標準装備のアプリ『ミュージック』は、iPhoneに貯えたサウンドライブラリを再生できるだけでなく、最大2GBの楽曲データをApple Watch側に持つことができる。Bluetooth/A2DPの送り出し側としての機能を持つため、Bluetooth対応ヘッドホンまたはBluetoothスピーカーを用意すれば、自律的に動作するデジタルオーディオプレイヤーとなるのだ。

Apple Watchの『ミュージック』。iPhone上の音楽だけでなく、Apple Watch上にも音楽を取り込み再生することができる

実際にBluetoothスピーカー「Klipsch GiG」で試したところ、iPhoneと大きく変わらない手順で音楽を再生できた。利用されるコーデックがSBCかAACかは確認できなかったが、iPhoneと聴き比べても遜色はない。2GBといえばアルバム数枚を収めるにはじゅうぶん、初期のiPod nanoやiPod shuffleを上回る容量だ。

iPhone上にあるプレイリストと同期すれば、Apple Watchに曲が転送される(充電時のみ実行)。上限の2GBを多いと見るか少ないと見るか?


『ミュージック』の画面上をフォースタッチすると、再生ソースを選択できる。Apple Watchを選択すると、出力先のBluetoothデバイスを選択させられる(Bluetooth出力も「AirPlay」と呼ばれるようだ)

リモコンアプリ『Remote』も収録されている。パソコン側でiTunesを起動しておけば(iTunesライブラリを公開する設定も必要)、Apple Watch側から再生/停止を指示できる。出力先とするスピーカーも指定できるので、機能的にはiOS版『Remote』と大差ない。

ただし、Watchアプリ版『Remote』はiPhoneが必須。iTunesライブラリ(パソコン)にはApple Watchから直接アクセスできず、iPhoneのWi-Fiをオフにしていると動作しない。前述したWatchKit Extensionではなくネイティブアプリらしく、iPhone側に『Remote』アプリがなくても動作するが、『カレンダー』や『マップ』などハンドオフ(OS X Yosemiteからサポートされたアプリ間連携機能)がOS Xと直接やり取りできることからすると不思議な仕様だ。

パソコン上のiTunesライブラリにアクセスし、再生などを指示できる『Remote』も付属する。ただし、直接パソコンとは連携できず、iPhoneを介さなければならない


Apple WatchはiPhoneだけでなく、同じApple IDでサインインしたMacとも連携して利用できる

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