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Apple WatchはApple Watch

Apple Watch レビュー|腕時計でもウェアラブル端末でもなく

公開日 2015/04/27 07:00 海上忍
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フォースタッチはコツを飲み込めばどうということもないアクションだが、アプリの情報を1画面で表示し起動にも使える「グランス」では作用しない -- グランスの画面とアプリの画面は見分けにくく、つい誤ってグランスのときプレスしてしまう -- など、使うべき場面がいまひとつ直感的でない。ボタンやアイコンといった操作対象を明確にしないアプリが多いことも、混乱を招く原因だ。

文字盤を上方向へフリックすると、Watchアプリの情報をすばやく確認できる「グランス」が現れる。下部にある○はアプリの数、●は表示中のアプリを意味する

デジタルクラウンは平たい形状のためつまみにくく、リストバンドに"あそび"の部分があるため(まったく動かないようキツく締め上げるなら話は別だが)、ダブルクリックが難しい。Siriを呼び出すときも、指1本ではリストバンドがずれてしまうため、Apple Watch本体をつまむようにしてデジタルクラウンを押すことになる。

操作感という点では微妙なデジタルクラウンだが、"Apple仕込みのアプリ"を介すと印象は大きく変わる。その洗練度合いや作り込みの入念さは、正直なところAndroid Wearをはじめとする他のウェアラブル端末を大きく引き離しており、そこでデジタルクラウンは効果的に使われている。

『時計』アプリはその好例だ。このアプリは、画面上の適当な位置をプレスすると文字盤(フェイス)を変更できるのだが、そのひとつ「アストロノミー」では存分にデジタルクラウンを活用している。地球や月を表示しているときは、デジタルクラウンを回すと±方向へ自転させることができ、日の入り/日没や満月/新月までの日時が視覚的に表現される。表示を太陽系に切り替えると、惑星が公転するようすもわかる。他のフェイスも相当な凝りようだが、ことデジタルクラウンに関して言えば、このアストロノミーが頭1つ、2つ抜き出た印象だ。

文字盤のフェイスを「アストロノミー」に変更したところ。iPhoneと通信せず自律的に動作するネイティブWatchアプリだ


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