「精度の高いハイファイ性能を実現」

エソテリックのSACD「K-07X」レビュー。D/A部強化で足を固めたKシリーズの末弟

鈴木 裕

前のページ 1 2 次のページ

2015年04月24日
先代モデルと音の方向性を変えて、上位機種に合わせてきた

エソテリックの一体型SACD/CDプレーヤーの“Kシリーズ”は値段の高い方から言うと、「K-01X」、「K-03X」、先日レポートを行った「K-05X」(レビュー記事)、そしてここで紹介する「K-07X」という序列になる。この4兄弟をドライブメカの面から分けてみると、上位3機種とK-07Xというように分けることが出来る。

「K-07X」¥430,000(税抜)

上位3機種がVRDS-NEOというメカを採用。これはごくごく簡単に書くと、盤の上にすり鉢状のディスクを押さえつけて面ブレを抑止しながら回転させる構造のメカで、グレードはそれぞれ違うものの共通して搭載されている。それに対してK-07XだけがVOSPメカニズムだ。そのハウジング部には8ミリ厚のスチール製大口径スタビライザーを装着。メカ自体を高剛性化し、ディスクの高速回転による振動を排除。また、レンズを移動させる時に常にレーザーの光軸が垂直方向を維持する方式で、安定したデータの読み出しを目指している。

K-07Xに搭載の「VOSP」

K-07Xのディスクトレイ部

この一体型の4兄弟は、型番に「X」のついた最新型に進化する中で、基本的にはドライブメカとボディは変更されず、D/Aコンバーター部とアンプ部の大きな変更が特徴となっている。その中でもK-07Xはもっとも音が変わった機種だ。基本的な音の方向性自体を上位の兄たちに合わせてきた印象なのだ。

結論から書くと、「Xなし」の先代「K-07」はいい意味でマイルドで、正しい音場感や音像の実在感を持ちながら、当たりの柔らかい音を持っていた。クルマで言えば、一体型の上位3機種が大排気量のスポーツカーやスポーティなセダンにたとえられるのに対して、K-07だけが乗り心地のいいセダンだった。それがK-07Xになって、足回りを固め、より精度の高いハイファイ性能を実現した、という進化である。

K-07Xの背面端子部

具体的な内容を簡単に紹介すると、D/Aコンバーター部のDACデバイスには、旭化成エレクトロニクスの「AK4490」を採用。左右チャンネルごとに差動4回路、8出力のパラレル/ディファレンシャル構成を採用している。これは、従来モデルの倍の回路規模だ。アンプ部には「Grandioso C1」のテクノロジーを投入し、高い電流伝送能力と強力なドライブ力を誇るバッファーアンプ回路を採用。また、EDLC(Electric Double-layer Capacitor。スーパーキャパシター)採用の安定化電源を搭載。チャンネルあたり合計500,000μFの容量を持たせている。詳しくはエソテリックのオフィシャルサイトを見ていただきたいが、D/Aコンバーター部とアンプ部の進化はマイナーチェンジレベルではない。それは後述するようにその再生音に明確に出ている。

「AK4490」搭載のD/Aコンバーター部

EDLC採用の電源部

ディスク再生とUSB-DACの音質を検証する

前のページ 1 2 次のページ

関連記事