11.2MHz対応USB-DACのサウンドにも注目

エソテリックの中堅SACDプレーヤー「K-05X」が遂げた大きな進化とは? 鈴木裕がレビュー

鈴木 裕

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2015年04月02日
先代からドライブメカは踏襲しつつ、DACやアンプ部を大きく更新

Kシリーズの一体型SACD/CDプレーヤーは、値段の高い方から言うと、「K-01X」「K-03X」、ここで紹介する「K-05X」、そして「K-07X」という序列になっている。はじめに結論めいたことを書いてしまうと、先代モデル「K-05」から今回取り上げる新モデルK-05Xで、音の方向性は基本的に変わっていない。しかしクオリティや音楽を訴える力が明確に上がっている。そのサイズ(全高)やプライスタグ、VRDS-NEOメカの採用、そしてもちろん音という要素を考え合わせるとK-05Xはミドルレンジのポジショニングの中で実に高い魅力を持ったプレーヤーだ。その魅力はK-05からK-05Xへの進化の中でさらに磨かれていると言っていい。

「K-05X」¥580,000(税抜)

K-05Xだけでなく、この4兄弟は型番「Xなし」の先代から「X」のついた最新型に進化する中でドライブメカとボディは変更されなかった。逆に言うと、D/Aコンバーター部とアンプ部が大きく変更されている。まずはその点を紹介しよう。

デジタルプレーヤーや昨今のUSB-DACで話題になるDACデバイスだが、K-05Xでは旭化成エレクトロニクス社の「AK4490」を採用し、従来モデルのチャンネルあたり2回路から4回路へ、倍の回路規模となっている。DSD信号はダイレクト処理をするが、PCM系の信号ではこの32bitのDACチップを複数個組み合わせ、34bitの解像度にしてからD/Aプロセッシングする。ここがまずXバージョンの大きな変化だ。そしてDACの安定化電源として、チャンネルあたり合計500,000μFの大容量を誇るEDLC(Electric Double-layer Capacitor、電気二重層コンデンサー)を搭載。また、デジタル信号処理のパートからD/Aコンバーター部、アンプ部まできっちりとデュアル・モノ構成を採っている。

背面端子部

Grandiosoの思想が注入され、ラインアンプ部を強化

アナログ出力回路のパートの変更も大きい。Grandiosoシリーズのプリアンプ「C1」を開発する過程で、ラインアンプ部の重要性を追求したということだが、その思想がダイレクトに注入されている。これによって高い電流伝送能力と強力なドライブ力を誇るバッファーアンプ回路が構築されている。「HCLD Type2」と名付けられているが、HCLDは“ハイ・カレント・ライン・ドライバー”のイニシャル。オペアンプとトランジスターを組み合わせた強力なハイブリッド・ディスクリート回路である。チャンネルあたり2回路搭載し、バランス出力の場合はディファレンシャル=差動で、RCA出力の場合はパラレル=並列で出力させている。

HCLD Type2をL/Rchにそれぞれ備えたデュアルモノD/Aコンバーター部

その仕様をそのまま踏襲しているメカドライブ、VRDS-NEOについてもやはり触れておくべきだろう。VRDS-NEOはエソテリック独自のメカドライブで、ディスクが回転するに時の面ブレを抑え、精度高く読みとることを目指している。上位のデジタルプレーヤーの盤を抑える部分、メーカーでは“ターンテーブル”という言い方をしているが、この部分をK-05Xが搭載する「VMK-5」ではアルミニウムとポリカーボネート素材をハイブリッドで使用する。

K-05Xのディスクトレイ部

ドライブメカにはVRDS-NEO「VMK-5」

また、ブリッジ部にもBMC素材とスチールをハイブリッドで使っている。BMCは不飽和ポリエステル樹脂と炭酸カルシウムなどの充填材とガラス繊維などを混合した素材で内部損失性が高いものだ。こういった素材の使い方が、上位機種に搭載された剛直を究めるメカ、K-01X等の「VMK-3.5-20S」やK-03Xの「VMK-3.5-10」とはまた違った、K-05X特有の音を構成しているように感じている。

ディスク再生とUSB-DACの音質を検証する

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