HOME > レビュー > iBassoのハイレゾ対応カードサイズポタアン「D Zero MK2」の実力を徹底検証

【特別企画】クラシックからアニソンまで様々な楽曲でチェック

iBassoのハイレゾ対応カードサイズポタアン「D Zero MK2」の実力を徹底検証

2015/04/16 折原一也
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

「D Zero MK2」は、MacはもちろんWindows PCとの接続でもドライバーレスでハイレゾ出力に対応する。自宅も外出用のノートPCもWindows派の筆者には特に嬉しい仕様だ。再生ソフトは「foobar2000」で各種ハイレゾ音源を試した。なお、ちょうど手元にあった前機種の「D Zero SE」も同一環境・同一音源で試しているので参照してほしい。

本体天面

宇多田ヒカルの『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION』(96kHz/24bit)では、音数の多い楽曲も中域を弾けるような粒立ちの良さで鳴らす。そして同時に、空間の見通しよくスケール感を出す。特に耳元で囁くようなコーラスの位置感と立体感が素晴らしい。低音はアタック感を持たせつつナチュラルな情報量でまとめる。

Daft Punkの『Random Access Memories』(88.2kHz/24bit)でも音のセパレーションの良さ、そしてエフェクトがかけられて音空間上方に配置されるサウンドの位置感は圧倒的に優秀。低音はボリュームももった厚みで音楽的には十分だろう。

クラシックより『カラヤン〜ザ・ベスト・オブ・マエストロ〜アビイ・ロード・スタジオ新リマスターによる』(96kHz/24bit)では高域まで繊細な美音でしなやかに伸ばしつつ、その余韻まで鳴らす。

また、ジャズよりSHANTIの『Born to Sing』では、空間を高解像に描写するような見通しの良さと同時に楽器のセパレーションが良く、埋もれていた微細音に発見のあるようなサウンドだ。

「D Zero MK2」と前機種である「D Zero SE」を差し替えて聴き比べてみると、「D Zero SE」の音は高域のキレ、そして低域はボリューム感を重視したダイナミックな志向であったのに対して、「D Zero MK2」が得意とするのは中域の解像感と鮮度の高さ、そして空間の奥行きを見通すスケール感だ。

前モデル「D Zero SE」

■アニソンはどう鳴らすか?

次に、各種アニソンも聴いてみた。まず、春菜るなの『Candy Lips』(96kHz/24bit)より『春色シグナル』を聞くと、ボーカルの声色の立ち上がりと瑞々しい響きとアタックが鮮度の高いサウンドで伝わり心地良く、特に音数の多い間奏部もセパレートが明確。『Startear』でもピアノとオーケストラの入る間奏部では中域の音の艶やと、クリアに伸びる高域、そしてコーラスまでの鳴らし分けが見事。

次ページ他機種にない利用シーンも思い浮かぶ傑作モデル

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE