HOME > レビュー > CSRのデジタルアンプ「DDFA」を読者はどう聴いた? デノン「PMA-50」モニターレポート

読者4名が自宅でPMA-50を試聴

CSRのデジタルアンプ「DDFA」を読者はどう聴いた? デノン「PMA-50」モニターレポート

2015/04/10 構成:ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
透明感があり高域の分離も良好
うまくサウンドをまとめ上げている

A・Mさん

DDFA試聴会では、CSRのリファレンスアンプという原器に等しい存在のアンプとそれをDENONがチューニングしたPMA-50の比較試聴という稀な比較試聴ができました。リファレンスアンプは、リファレンスというだけあって味付けが少なく従来のデジタルアンプへの偏見が払拭された感があった。出力も大きいためか、B&W「805 Diamond」の低音がブーミーに鳴らず、ウーファーからダイヤモンド・トゥイーターまで揃った音色は良かったかと思います。

自宅システムにPMA-50を組み込んだところ

それと比較しますと、デスクトップサイズとも言える非常に小型な「PMA-50」は、低域にパワー不足を感じるものの、上手にまとめられていると感じました。透明感のあるサウンドから高域の分離は良好、空間の広さも良く低音はベースラインが分かりやすいフィーリングがありました。低域の質感や音量を上げた時の声のフィーリングから、試聴会や後に述べる自宅試聴での環境ではなく小型スピーカーをデスクトップにおいて小音量で楽しむアンプであると思いました。

我が家のメインスピーカーは、KEF「Model203/1」という同軸ドライバー搭載のトールボーイ・スピーカーです。今回幸運にもPMA-50を自宅にて試聴できる機会をいただきましたので、実際に接続を行い使用してみました。大型スピーカーということで、さすがに音量を大きくすると中域のハリが失われてしまいますが、小さめの音量で鳴らしますと、低域の量感もしっかりと出ます。DDFA特有と言える透明感のある中高域で、見通しの良い音となって良好でした。静かな歌や楽器の少ないジャズにはバッチリ合うでしょう。好んでそのような曲ばかりを選んでしまうアンプでした。

スピーカーシステムはKEF「Model203/1」を使用した

元気あふれる曲を大音量で聴くというよりは、優しい静かな曲を、透明感を持ってゆっくり聴くといった、小音量でもピラミッドバランスを体感できるプリメインアンプであると感じました。若干高域に煌きを感じる音色からシンバルが強調され「THE ハイレゾ現代サウンド」と言いましたところでしょうか。

デジタル入力ではCOAXを始め、自宅では「beagle bone black」と「Light MPD」を用いたトランスポートで試聴しましたが、キチンと認識し凛とした雰囲気が増し好印象でした。

PMA-50は電源ケーブルの違いもよく反映するようで、エージング不足のためか付属のケーブルでは分離が悪くボワついてしまいました。いくつかケーブルを試した結果、歯切れの良いサウンドのケーブルが良く合うようでした。

ヘッドホン出力に関してはデノン「AH-D5000」にて試聴を行いました。スピーカーの時に増して透明感を感じられる音色で、深い沈み込みはないものの歯切れの良い低音を効かせ、煌びやかな中高域は好印象です。一方で、クラシックを聴く方は、能率の悪いヘッドホンを使われた際に音量不足になる可能性があるかもと感じました。

ヘッドホン出力の音質はデノン「AH-D5000」で確かめた

また、電源ボタンがややチープに感じました。それから電源ケーブルの端子部が奥まっており接続しづらい。また、スピーカーターミナルの取り付けに不安があり、自宅ではバナナを介して接続を行いました。液晶ディスプレイは便利ですが、好みが分かれるかと思います。

試聴室では弦楽等で結構ライブな鳴り方をするのかと感じましたが、自宅では想像とは異なり案外デッド。つまるところのDENONサウンドで「PMA」の名前を冠したアンプであることを確認できました。デジタル入力も多いことから、PCと組み合わせてデスクトップなどで小さめの音量で楽しむには良い選択かと思いました。

フルデジタルアンプはPanasonicの「XR」以来でしたが、貴重な体験をさせて頂きました。

次ページデジタルアンプならではの解像感とS/N、瑞々しい音楽性が両立している

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック: