デノンならでの“気配り”にも注目

サウンドと装着感にこだわり満載、デノンのポータブルヘッドホン「AH-MM200」レビュー

山本 敦

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2015年02月23日
ソニーの“ウォークマン”「Aシリーズ」やiBasso Audioの「DX90j」をはじめとした専用プレーヤー、ハイレゾ対応のAndroidスマートフォンなど、気軽にハイレゾが聴ける製品が充実してきた。その動きに伴って、ポータブルヘッドホンにも、力のこもった製品が多数登場している。中でも、本体をコンパクトに折りたたんで持ち歩ける“オンイヤータイプ”に魅力的な製品が増えている感がある。

AH-MM200

デノンが2012年から展開しているLifestyleシリーズにも、この冬、音質とデザインの高次な融合をテーマに掲げる「MUSIC MANIAC」の新製品が3機種加わった。その中で最もコンパクトでありながら、上質なプレミアム感を追求した「AH-MM200」は、老舗オーディオブランドであるデノンがユーザーニーズを丁寧に汲みながら、“自然で聴き疲れしないサウンド”を追求したポータブルヘッドホンだ。

兄貴分のモデルにはアラウンドイヤーの「AH-MM400(レビュー)」や、本機よりも少しサイズの大きいオンイヤーの「AH-MM300(レビュー)」がある。それぞれ振動板と本体を構成するマテリアルを新規に開発・採用したことと、柔らかな曲線を活かしたデザインを特徴とする。3年前にデビューした「MUSIC MANIAC」シリーズのヘッドホンとはまた違った、デノンの新しいスタイルを鮮烈に印象付ける顔ぶれが揃った。

■装着感や耐久性においても玄人好みの気配り

AH-MM200が上位機のAH-MM300と大きく異なる点は、ドライバーの寸法と振動板の素材、また本体サイズとポータビリティに関わる仕様である。

本体はヒンジの部分が折れて内側にたためる「フォールド・イン機構」を採用。一方のMM300はイヤーカップの部分を回転させて平らな形状にする「フォールド・フラット機構」である。本体色についても、MM200はブラックだけでなく、女性も選びやすいホワイトも用意する。

内側に折りたたんだ状態

AH-MM200(ホワイト)

30mm口径のドライバーにはネオジウム・マグネットを搭載。剛性を高めて軽量性を追求した、3層のPET素材を重ねた振動板を新規に開発し、搭載した。

イヤーカップの素材は上位のMM300と同じ、強化プラスチックにグラスファイバーを混合した「GFRP」。イヤーカップの内部に発生する不要振動を抑えながら、音色を高域から低域にかけて自然なバランスに整えられるところが、このマテリアルの特長だ。表面にはセラミック・フィニッシュを施した。実機のイヤーカップに触れると、際だってスムーズな肌触りの良さが実感できると思う。カップの中央には「DENON」ブランドロゴを置いたメタルパーツが凛々しく光る。GFRPとメタルによる異種素材のコンビネーションが全体のデザインに上品なインパクトを与えている。

GFRP素材のイヤーカップ

イヤーパッドにはデノンが専業メーカーと共同開発した人工皮革を採用

イヤーパッドやヘッドバンドにも新しいMUSIC MANIACシリーズならではのこだわりが感じられる。その一つが、デノンが日本国内のレザー加工専業メーカーと一緒に開発した肌触りの良い人工皮革素材だ。デノンのヘッドホン製品の開発を担当するエンジニアの福島欣尚氏によれば、本素材がヘッドホンに採用される機会はこれが初めてだという。

イヤーパッドとヘッドバンドには肌触りの良い人口皮革素材。

その特長は、通常の人工皮革に比べて約2倍の剥離強度を持っているというタフネス性能だ。オンイヤータイプのヘッドホンは、長く使い続けるうちにイヤーパッドの表皮に傷がついたり、破れてボロボロになりがちだ。「機械的には何の問題もなく、音もすごく気に入っていたのに、ルックスや装着感が損なわれてしまったので次第に愛着が薄れてしまう」ということも、ポータブルヘッドホンではよく聞く話だ。ヘッドホンが肌に触れるときの心地良さや外観をいつまでもキープできるようにという、ハイエンドオーディオも手がけるデノンならではの気配りが感じられる。

音質と共に装着感も検証してみる

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