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<山本敦のAV進化論 第49回>

iPhone等でどこでもテレビ視聴 − 進化したSlingbox「M1」を使ってみた

公開日 2015/04/08 12:21 山本 敦
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Chromecastがあれば、外出先でも大画面でリモート再生ができる

新しくSlingPlayerに追加された機能が「Chromecast」対応だ。どんなメリットが生まれるのかといえば、例えば旅行先にChromecastを携帯し、ホテルのテレビがHDMI端子付きでWi-Fi環境もあれば、Chromecastをテレビにつなぐことで、家のレコーダーをホテルのテレビに接続したようなバーチャル環境ができあがる。リモート再生をスマホやタブレットの画面ではなく、大きなテレビ画面で楽しめるようになるのも嬉しい。

東芝“レグザ”にChromecastを接続

今回は音元出版の視聴室にて、東芝“レグザ”にChromecastをつないで機能を試した。Chromecastを起動してからSlingPlayerアプリを立ち上げると、アプリの画面上部に「Castアイコン」が表示され、タップするとコンテンツのキャスト(ストリーミング)が始まった。

Chromecastにキャストする際には「Chromecast Home」を選択する

キャスト(ストリーミング)中の画面

もちろん録画番組だけでなく、ライブチューナーの番組まで視聴できるので、これなら海外に出かけている時でも見たい番組をリアルタイム視聴することが可能になってしまう。NexTV-Fのリモート視聴の場合は、レコーダーとモバイル端末のペアリングを90日間ごとにホームネットワーク環境で再アクティベートしなければならないが、Slingboxの場合は、この面倒なお約束が不要だ。留学や転勤など、長期に自宅を不在にするテレビっ子には最適なツールだと思う。


レポートしたように、Slingboxのリモート再生は非常に良くできている。一点不満を挙げるなら、画質設定のビットレートの選択肢を増やして欲しいという点だ。特に4G LTE環境でリモート再生する場合、画質は落としても良いから、キャリアの通信容量制限に引っかからないようデータ容量をセーブして見たいという時がある。ポータブル無線ルーターを持たずに、電車などで外出した際の移動時などだ。

現在のSlingPlayerアプリは、画質設定の解像度で低い方が「SQ(標準画質)」一種類だが、リモート視聴側の最低画質のモードよりも明らかに高画質だ。配信ビットレートなどの詳しい情報は公開されていないが、恐らく国内キャリアの用意する一般的な通信プランの制限内では、それほど長時間のリモート再生はできないはずだ。SlingboxはWi-Fi環境での使用を前提に作られている製品なのだろうが、ユースケースに応じて低画質・省データ容量のモードも選べるようになると有り難い。

画質設定による映像比較。左:「HQ(高画質)」はもちろん、右:「SQ(標準画質)」でも高精細な映像に整えられている

最後に細かいことだが、筆者もふだんからSlingbox 350を愛用していて、よくアプリでリモート再生を終えた後にレコーダーの電源を切り忘れてしまうことがある。SlingPlayerでリモート再生を始める際にはレコーダーの電源ONが必要なので、当然見終わったらOFFにしなければならないのだが、スマホの感覚だとアプリを終了すればOFFになるだろうという感覚があって、帰宅するとレコーダーの電源ランプが煌々と光っていることがよくあるのだ。アプリの改良によって何とかなってくれたら嬉しいが、Slingboxオーナーになったら気に留めておくとよいだろう。

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