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ドレー、ジェイ・Z、ヤング・・・キーマンは大物ミュージシャン!?

ビートルズやアップルなど様々な噂…海外ハイレゾ&ストリーミング最新事情を元洋楽ディレクターが分析

公開日 2015/03/31 11:58 本間孝男
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音楽配信はストリーミング・サービス主流へ移行していくのか?

冒頭で述べた通り2014年は、音楽配信の主流がダウンロード型のサービスから、ストリーミング型のサービスへと移行してきていることが顕著に表れた1年であった。ここで、改めて音楽ストリーミングについておさらいしたい。まず、音楽ストリーミングには2種類のモデルが存在する。

日本ではサービス未提供だが、世界規模でシェアを拡大するストリーミングの巨人、Spotify

ひとつめはPandoraなどに代表されるパーソナライズド・ラジオ・サービスだ。ユーザーが指定した好みのアーティストやアルバムを分析し、最適な曲を自動でレコメンドして再生。ビジネス的には広告モデルで、無料利用できるがユーザーが好きな曲を選ぶことはできない。

もう一方がオンデマンド型音楽ストリーミング・サービスで、その代表格がSpotifyだ。ユーザーが好きな曲を膨大なライブラリーから選択して再生ができる。フリーと有料月額(サブスクリプション)の2種類のプランを用意する「フリーミアム」モデルで、有料月額では広告などの制限が外せるようになっている。SpotifyはiPhoneやAndroidなどスマートフォンに対応したことと「フリーミアム」モデルで急成長した。

日本でも着々と成長するサブスクリプション型配信サービス

日本におけるSpotifyのスタートは難航しているが、すでに同形態のサービスのいくつかが日本でも開始されている。そして、サブスクリプション型サービスは音楽配信における販売高第2位であり、3位のアルバム・ダウンロードの金額を大きく上回る。JASRACの使用料もスマートフォン向け定額聴き放題サービスの収入が増加している。2014年の3/4期実績(1月ー9月)の実績(RIAJ調べ)を見ると、

・シングルトラック(前年比89%)155億9千万円
・アルバム(前年比121%)61億円
・サブスクリプション(前年比226%)65億7千万円

という結果である。スマートフォン向けの「レコチョクBest」や、LINEが始める「LINE MUSIC」もサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスだ。しかし海外は「次」をロスレス・ストリーミングに狙いを定めているなかで、残念ながらCDの売上に固執する日本市場は蚊帳の外だ。

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