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ドレー、ジェイ・Z、ヤング・・・キーマンは大物ミュージシャン!?

ビートルズやアップルなど様々な噂…海外ハイレゾ&ストリーミング最新事情を元洋楽ディレクターが分析

2015/03/31 本間孝男
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ハイレゾに革命をもたらす!? MQAに注目が集まる

MP3と同じくらいファイルサイズが小さくでき、ロスレスフォーマットのクオリティを保つという夢のようなオーディオフォーマットがCES2015で発表された。開発は英国のハイエンド・オーディオ・メーカーのMeridian(メリディアン)。同社は過去にDVD-Audio向けの高音質オーディオフォーマットMLP(Meridian Lossless Packing)を開発している。前項で述べたとおりニール・ヤングが2012年にPonoをスタートさせた時に共同開発に関わるとされた企業がこのメリディアンだ。

メリディアン・オーディオのチェアマン チーフテクニカルオフィサーであるロバート・スチュワート氏(撮影:山本敦)

発表したMQA(Master Quality Authenticated)は「ハイレゾ相当の音質を保ったまま、再生時のビットレートを約1Mbpsにまで縮小できる」のが特徴。現行のブロードバンドの帯域で高速ダウンロードや高音質ストリーミングが可能な技術で、ハイレゾ普及の切り札ともなるうるものだ。近い将来、レコード産業の音楽ファイルの取扱いを根底から変えてしまうかもしれない。なお、将来的にはMQAファイルの処理はスタジオで行われる。

メディリアンの次のステップはレコード・レーベル、音楽プロデューサー、音楽配信業者、ハードの製造業者へのアプローチだ。すでに3大メジャーの1つ、ワーナーはMQAの導入を真剣に検討しており、Atlantic RecordsもMQAでの配信を表明している。

なお技術情報などは山本敦氏による「新ロスレスフォーマット「MQA」をメリディアン創設者に聞く」をお読み頂きたい。また、日本のオンキヨーもハイレゾ再生アプリ「HF Player」にMQAを組み込むことを目指すという(関連ニュース)。

ハイレゾ・ストリーミングが現実に。ロスレス・ストリーミング・サービス「TIDAL」

CES2015の会場でメリディアンとチームを組み、MQAを用いてハイレゾ・ストリーミングを行うと宣言したのがノルウェーの配信サービス「TIDAL」。同社は昨年10月から米国/カナダと英国でCDクオリティ(1411kbps)のロスレス・ストリーミング・サービスを行っている。サブスクリプションの料金はSpotifyの倍以上だ(19.99ドル/月)。

ロスレス・ストリーミングを行う「TIDAL」

今後メリディアンとTIDALはパートナーシップを組み、今年後半からMQAを組込んだハイレゾ・ストリーミング・サービスを各国で展開する予定だ。また、メリディアンは“MQA-Ready”をうたう小型DAC「Explorer2」も発売している。現在の欧米の音楽市場を鑑みるに、主流のストリーミングでハイレゾ配信が可能になることはやはり普及への大きな足がかりになる。ここで、ストリーミング・サービスについて現在の状況をおさらいしておきたい。

次ページ配信はストリーミング・サービス主流に移行していくのか?

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