USB-DACを使ったオーディオ再生の流れを紹介

音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第8回】PCオーディオで楽しむ(2) USB-DACを活用する

逆木 一

前のページ 1 2 3 次のページ

2015年03月17日
「良い音で音楽を聴く楽しさ」と「快適な音源管理・再生」をどちらも叶えてくれるもの ? それが「ネットオーディオ」だ。音源の入手方法やライブラリの管理方法、そして音源の再生方法など、ぜったい押さえておきたい基礎知識を、逆木 一(さかき はじめ)が解説。これからネットオーディオをはじめたいという方に向け、全15回にわたってお届けする。

連載目次
第1回「まず『音源』ありき」
第2回「タグについて理解しよう」
第3回「コーデックの基礎知識」
第4回「ライブラリを構築する」
第5回「音源の入手方法(1) CDのリッピング」
第6回「音源の入手方法(2) 配信サイトからのダウンロード」
第7回「PCオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第8回「PCオーディオで楽しむ(2) USB DACを活用する」
第9回「PCオーディオで楽しむ(3) 色々な再生ソフト」
第10回「PCオーディオで楽しむ(4) オーディオルームとPCの親和性」
第11回「ネットワークオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第12回「ネットワークオーディオで楽しむ(2) サーバー」
第13回「ネットワークオーディオで楽しむ(3) プレーヤー」
第14回「ネットワークオーディオで楽しむ(4) コントロール」
第15回「様々な再生方法」


PCオーディオを実践する
PCとUSB-DACを組み合わせたオーディオ再生の手順を紹介


筆者がオーディオという趣味に目覚めたきっかけはヘッドホンでした。もう10年近く前になりますが、初めて聴いたゼンハイザー「HD595」の音の衝撃と感動は今でも忘れられません。当時、HD595を繋いでいたのは何の変哲もないデスクトップPCでした。そしてHD595の音に感激すると同時に、背景から聴こえる「サー」というノイズが無性に気になったことを覚えています。音楽を聴くうえで、静寂を阻害するノイズは邪魔以外の何ものでもありません。

どうにかしてPCから流れ込むノイズを消せないものかとあれこれ調べた結果、筆者はPCとUSBケーブルで接続する「外付けサウンドカード」なるものを導入し、ノイズの大幅な低減に成功しました。USB-DACという製品ジャンルも、その呼称もまだ確立していなかった時代の話です。

今回はその音質で定評あるCHORDのUSB-DAC「Hugo」を組み合わせて、PCオーディオ編の実践編をお届けする

PCの機能性を享受しつつ高音質を実現するための最も手っ取り早い方法は、ノイズを撒き散らすPCからデリケートな音声信号の処理を切り離すことです。そこで、PCをトランスポートとして使い、PCとは別にDACを用意するという方法が早くから用いられてきました。筆者の思い出話を持ち出すまでもなく、接続方法や製品によって程度の差はあれど、音質向上に確かな効果が得られます。

「PCと接続するためのDAC」の最たるものがUSB-DACです。

かつてはPCとDACを接続する方法として、FireWireや光デジタルケーブルが使われたこともありましたが、現在は事実上USBに集約された感があります。単純にほとんどのPCがUSB端子を搭載していることに加え、標準ドライバーのおかげで「とりあえず繋げば音が出る」という安心感も、USBの地位を高める理由になったと思われます。昨今の192kHz/24bitを大きく越えるスペックのハイレゾ音源への対応力もまた、USB-DACの大きな強みとなっています。

今では「USB-DAC」という呼称は単にUSB端子を搭載しているというだけではなく、「PCオーディオに活用することを念頭に置いたDAC」という、より広い意味合いも持つようになったと見受けられます。この点において、PCオーディオは実質的に「USBオーディオ」になったと言っていいかもしれません。

さらに、オーディオ業界におけるPCオーディオの地位向上に伴って、安価な製品から数百万円するハイエンドの製品に到るまで、DACと名の付く製品のほとんどにUSB端子が搭載されるようになったと言っても過言ではありません。

(1)はdCSのハイエンドD/Aコンバーター「Vivaldi DAC」(\3,870,000)。(2)はTEACの小型D/Aコンバーター「UD-501」(¥110,000)、(3)はAudioQuestのスティック型USB-DAC「Dragon Fly」(¥26,190)。価格は大きく異なれど、いずれも“USB-DAC”としての機能を備えている

USB-DACは機能的にも、単にDACとして音声出力を備えるものだけではなく、ヘッドホンアンプに特化したもの、プリアンプとしての機能を備えたもの、アンプ一体型など、多くのバリエーションがあります。また、デジタル機器全般に言えることではありますが、安価でも純粋にDACとしての機能は上位機種と変わらない製品が多いことも特徴と言えます。新製品のリリースは非常に活発で製品層も厚く、ユーザーは予算と好みに応じて自分に合った製品を選択できます。

USB-DACの黎明期は、アシンクロナス転送やUSB Audio Classなど、当時としては聞き慣れない言葉が乱れ飛んで混沌としていたように思います。製品が192kHz/24bitに対応するか否かが大きな話題になったような時代でした。

最近ではそんな状況もすっかり落ち着いて、ユーザーが気にしなければならないことと言えば、メーカーが提供するドライバーをきちんと使うことくらいになりました。これもUSB-DACという製品ジャンルが成熟したひとつの証と言えるでしょう。

CHORD「Hugo」を使ってUSB-DAC再生の手順を紹介

前のページ 1 2 3 次のページ

関連記事