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音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第2回】タグについて理解しよう

公開日 2015/01/15 11:29 逆木 一
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「良い音で音楽を聴く楽しさ」と「快適な音源管理・再生」をどちらも叶えてくれるもの − それが「ネットオーディオ」だ。音源の入手方法やライブラリの管理方法、そして音源の再生方法など、ぜったい押さえておきたい基礎知識を、逆木 一(さかき はじめ)が解説。これからネットオーディオをはじめたいという方に向け、全15回にわたってお届けする。

連載目次
第1回「まず『音源』ありき」
第2回「タグについて理解しよう」
第3回「コーデックの基礎知識」
第4回「ライブラリを構築する」
第5回「音源の入手方法(1) CDのリッピング」
第6回「音源の入手方法(2) 配信サイトからのダウンロード」
第7回「PCオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第8回「PCオーディオで楽しむ(2) USB DACを活用する」
第9回「PCオーディオで楽しむ(3) 色々な再生ソフト」
第10回「PCオーディオで楽しむ(4) オーディオルームとPCの親和性」
第11回「ネットワークオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
第12回「ネットワークオーディオで楽しむ(2) サーバー」
第13回「ネットワークオーディオで楽しむ(3) プレーヤー」
第14回「ネットワークオーディオで楽しむ(4) コントロール」
第15回「様々な再生方法」


そもそも『タグ』ってなに?

『タグ』― PCオーディオとネットワークオーディオの双方の文脈においてよく見かける単語です。その一方で、「タグとは何か」あるいは「いったい何がタグなのか」という問いに対する明瞭な答えはあまり見当たりません。タグについてあれこれと解説する前に、現物を見てみましょう。

これが、『タグ』のある状態です。


続いて、「タグが無い場合」どうなるかを見てみましょう。
こうなります。


上の画像はどちらも、ネットワークオーディオのコントロールアプリ「ChorusDS HD」で再生中の音源の情報を表示させたものです。一つ目の画像では曲名、アルバム名、アーティスト名、アルバムアート等が表示されていますが、二つ目の画像はすべて「不明」となっており、アルバムアートもなく、これでは自分が何を聴こうとしているのか、音が出るまで判断のしようがありません。

すなわち『タグ』とは、曲名・アルバム名・アーティスト名・ジャンル等に加え、アルバムアートも含む「音源に“内的に”付加された情報」であり、同時にその総体を意味します。

この「内的に」というのが重要です。よく見る「フォルダ/ファイル名はきちんとしているのに、ソフトに表示される情報がおかしい(あるいは表示されない)」という疑問も、このことに起因します。

いわゆる「フォルダ/ファイル名」と「タグ」はまったくの別物です。仮に音源のファイルを「Jazz」というフォルダに入れたところで、「Jazz」というジャンルがタグ付けされていない限り、ソフトに情報は表示されません。「不明」となるならまだいい方で、まったく見当違いのジャンル名になっている場合もあります。

また、アルバム内における「曲順」ですらタグに含まれます。「ソフトに表示される曲順がおかしい」という問題も、やはりタグに起因しています。

一例として、筆者の音源フォルダを見てみましょう。

(1)各ジャンルのフォルダ

(2)「Jazz」に該当するアーティストのフォルダ


(3)「Bill Evans」によるアルバムタイトルのフォルダ

(4)「Waltz for Debby」のフォルダ
各ジャンルのフォルダがあり、「Jazz」に該当するアーティストのフォルダがあり、「Bill Evans」によるアルバムタイトルのフォルダがあり、「Waltz for Debby」のフォルダの中に各曲のファイルがあります。

一見、問題なく音源が管理されているように思えます。しかし、先に述べたように、「フォルダ/ファイル名」と「タグ」は別物です。すなわち、上の画像からは、実際のタグがどうなっているのかを判別することはできません。

というわけで、「01 Bill Evans - My Foolish Heart」のタグを見てみましょう。


よかった、まともです。
しかし、もしかしたらこんな中身だったかもしれません。


悪夢ですね。

別のケースも見てみましょう。


(1)「Pop」のフォルダ

(2)「Corrinne May」のフォルダ

(3)アルバムが各フォルダに分けられている
「Pop」→「Corrinne May」→アルバムが4枚と、これまたフォルダで見ている限りは問題ないように思えます。では、実際にソフトの側から音源を見るとどうでしょうか?(画像は再びChorusDS HD)

ChorusDS HDで見てみると…(1)アーティスト名の表記がバラバラ

(2)アルバム名が表示されないものも。

(3)ジャンル表記もバラバラ


この有様です。

次ページデジタル音源管理のキモは「タグ」。

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