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<山本敦のAV進化論 第30回>

「スマホでハイレゾ」の実力とは? ドコモの “ハイレゾ対応” スマホ一斉比較テスト

2014/11/06 山本 敦
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■「スマホで楽しむハイレゾ」ならではの良さがある

今回試聴したスマートフォン4機種は、いずれもハイレゾ再生の音質にしっかりと個性が表れた。ウォークマン「Aシリーズ」と音質の面だけを切り取って比較することは難しいが、敢えて言うと、やはり「S-Master HX」のアンプによる効果は大きく、ディティールを引き出す解像表現力、旋律をメロディアスに歌い上げる抑揚感、低音を中心とした音の締まり具合などに、ウォークマンの“一日の長”が感じられる。

ただし、それもハイレゾを集中して聴く場合の話であって、カジュアルなオーディオプレーヤーとしてスマートフォンを捉えるのであれば、今回の4機種については「ハイレゾの魅力」が伝わるだけの実力は備えていると思う。

特に緻密な解像感が表現できるXperia Z3、鮮度の高いGALAXY Note Edgeのサウンドは印象的だった。海外ブログの情報によれば、Xperiaの次モデル「Z4」(になるのだろうか)には音楽再生専用のアンプが搭載されるというウワサもある。近い将来、Xpeiraシリーズでの「S-Master HX」搭載もぜひ実現して欲しいものだ。

最後に使い勝手にも少し目を向けてみよう。ウォークマンのような音楽再生専用のプレーヤーであればリスニング中の着信を気にする必要も無く、音楽再生が中心であれば、バッテリーも長時間駆動できる。

では、スマートフォンでハイレゾを聴く場合のメリットとは何だろう。様々なアプリに対応しているので、電子書籍を読みながら、メールを書きながらなど、ハイレゾを気軽に「ながら聴き」できるのはスマホならではだ。プリインされた音楽再生アプリ以外の、サードパーティ製アプリを音質や操作性で選択する自由さもスマホならではだ。さらに言うと、moraやe-onkyoなどから、PCレスでハイレゾ音源を直接ダウンロード購入できるのも大きなメリットになる。

将来的には、スマホとハイレゾの関係性がより近づくだろう。スマートフォンのハイレゾ対応、高音質化はまだ始まったばかりだが、今後も各社が様々な取り組みを通じ、「音のいいスマホ」を競い合って開発して欲しいものだ。

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