HOME > レビュー > AKG「K812」「K3003」で人気ヘッドホンアンプ4機種の実力を検証!

【特別企画】ラックスマン/フォステクス/パイオニア/CHORDの4モデル

AKG「K812」「K3003」で人気ヘッドホンアンプ4機種の実力を検証!

公開日 2014/09/29 10:30 長谷川教道
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

PIONEER U-05(税抜105,000円)
>>製品情報はこちら

PIONEER U-05

最新モデルらしく、いまUSB-DAC+ヘッドホンアンプに求められる機能と性能をすべて盛り込んで、パイオニアが長年培ってきたオーディオのノウハウを注ぎ込んだ力作だ。定評のあるESS製の8chDACを各ch独立で搭載し、それぞれ8chパラレルで使用するというこだわりぶり。注目のモデルだ。



■K812との組み合わせ
エネルギーバランスの整ったオケ。音像の輪郭にも刺々しさはない。中域の深々とした鳴りに高域の倍音成分が乗って、チェロらしい響きに聴き惚れる。クセのある鳴り方はしないし、ソースの種類によって破綻する心配もない。オールラウンダーだ。この安定感と上質感は得がたい特長。かなり聴感テストを繰り返した結果に違いない。ヴァイオリンは空間を鋭く切り裂くがノイジーな印象はまったくない。K812を巧みにコントロールして、その良さを引き出すという優れたドライブ能力を持っている。宇多田の躍動感とノラの自然な定位にも不足はない。



■K3003との組み合わせ
猛烈な切れ味……オーバーな表現かもしれないが、このアンプはK3003の素性をストレートに引き出してくる。アグレッシブな演奏家のエネルギーが圧倒的なスピード感で聴き手に襲いかかってくる。ピアノのタッチの明瞭度はピカイチ。チェロを間近で聴いたことがあるなら「これ、これ!」と納得するような、チェロらしい音を聴かせてくれる。そしてメタリックになる手前で抑えたヴァイオリンの生々しさ。演奏ノイズまではっきりと聴こえる。宇多田は少々ハイ上がりになった。生々しいのだが、もう少しベースの押し出しがあったらもっといい。

次ページ続いてはCHORD HUGOとの組み合わせを検証!

前へ 1 2 3 4 5 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE