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【特別企画】「あらゆる音を滑らかに届けてくれる」

高級ハイレゾプレーヤーに新星現る。コウォン「PLENUE 1」レビュー

公開日 2014/09/05 11:00 高橋敦
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では実際の音の印象を述べていこう。

まず一言でまとめると「雑味が素晴らしく少なく、あらゆる音を滑らかに届けてくれる」というのがこのモデルの音の特長だ。

例えば上原ひろみさんの「ALIVE」やHoff Ensembleの「Quiet Winter Night」といった曲で際立つのは、音自体やその背景の粒子感。それはその音自体の質感であり、背景においては気配感、あるいは映像作品でいうところフィルムグレインのような要素とも言える。本機で聴くとそれを豊かに感じられることで何というか、音楽全体の雰囲気がぐっと高まるのだ。

またその柔らかな粒子感にマッチして、ベースやドラムスもソフトな音圧や抜けというか、無理なく滑らかに押し出されてくる。アグレッシブさは控えられるが、代わりに実に聴きやすい。

そして坂本真綾さんややくしまるえつこさんの声のほぐれっぷりは“極めて秀逸”と言える域に達している。子音をシャープに刺すような歌い方をしている場面でも、それを突き刺すのではなく、すっと浸透させるような感触にして届けてくれる。

本体に付属するケースの質感は高い

ケースはぴったりと装着でき、かんたんには外れない

実は今回は、とりあえず使ってみて聴いてみてからその後に製品情報を確認したのだが、確認してみてなるほどと思わされたのが、前述のように本機がS/N等の基本要素を重視しているという点。静かさを筆頭によく整えられて広がりのある下地があるからこそ、粒子感のような微妙なニュアンスが生かされている。音に歪みがないことがそのまま、刺々しい刺さりのない綺麗な音調につながっている。基本要素を高めるという当然のことも、突き詰めればこういった特別な感触にまで到達できることを確認させてもらった。

付属のmicroUSBケーブル

そのほか、多弦ベースの低い音域までのしっかりとした制動、しかしタイトにはしすぎずベースがドライブする場面ではほどよい飽和感も生かすなど、そのあたりの加減も良好だ。



この価格帯を検討するユーザーのみなさんの要求は厳しく、そしてそれぞれ異なることだろう。だから本機を含めてどの製品も、誰しもを満足させることは無理だ。例えばシャープなエッジ感が好みの方には本機を特におすすめはしない。しかし例えばしなやかさや豊かにほぐれた感じを好む方なら、本機はその検討対象は入れておいて損はない。ハイエンドハイレゾポータブルの選択肢のひとつ足り得る、そのレベルに達しているニューカマーだ。

(高橋敦)

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