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3機種の実力を野村ケンジがチェック

音質とサイズ、使い勝手を兼備。ティアック「Reference 301」シリーズをまとめて徹底試聴

公開日 2014/09/04 10:00 野村ケンジ
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試しに、他社製のプリメインアンプ(Aura「Vita」)を使い、アナログXLRバランス出力もチェックしてみた。こちらは、アナログRCA接続に比べてググッとフォーカス感が高まった印象で、ハードロックなどテンポの速い楽曲が、とてもリズミカルに感じられる。このノリは良さは魅力的。将来的にUSB DACとして活用しても、満足のいくクォリティを発揮してくれそうだ。

入力された信号をインジケーターに表示することができる

背面にはXLRバランス出力も装備。RCAアンバランス出力とともに、出力レベルを固定、可変、オフから選択できる

■UD-301はヘッドホンアンプとしても完成度が高い

さて、肝心のヘッドホン出力はいかがなものだろう。ティアックは、ベイヤーダイナミックなどの海外製ヘッドホンも扱っているためか、駆動力の高さはなかなかのものだ。

UD-301はヘッドホン出力の駆動力もなかなかのクオリティだ

CCLC(Coupling Capacitor Less Circuit)方式によるヘッドホンアンプを左右独立した回路で構成したデュアルモノーラル構成を採用

バランスの良い音を実現させるにはヘッドホンアンプの実力をシビアに問うAKG「Q701」を組み合わせても、しっかり鳴らしきってくれる。なかでも、AKG「K812」との相性は抜群で、細やかなニュアンス表現とスムーズな広がりを持つ空間表現、そしてダイナミックなメリハリと、理想的なサウンド表現を披露してくれた。

いっぽうでシュア「SRH1540」との組み合わせも悪くない。「SRH1540」ならではの、上質さと表現のダイナミックさを巧みにマッチさせた独特のキャラクターを十全に引き出してくれる。そのほかにもいろいろなヘッドホンを試してみたが、おしなべて好印象。それぞれの個性をストレートに表現してくれるイメージだ。単純にヘッドホンアンプとして見ても完成度の高い製品といえる。



このように「Reference 301」シリーズは、サイズ感だけでなく、音質的な上質さをもしっかり持ち合わせた優秀な製品だ。特にコストパフォーマンスに至っては望外といえるレベルにある。これから本格的なデスクトップオーディオを始めようという人はもちろん、幅広いユーザーにお勧めしたい魅力的な製品群だ。

(野村ケンジ)

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