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【特別企画】OPPO「HA-1/PM-1」徹底検証<第2回>

OPPOの平面駆動ヘッドホン「PM-1」レビュー。バランス駆動やアンプ組み合わせなど徹底検証

2014/07/29 岩井 喬
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<2>PM-1の音質を徹底検証する

■CDリッピング音源も伸びやかかつ自然に描写

では実際にPM-1のサウンドを検証してみよう。まず基本的なシングルエンド(ステレオ標準端子)接続での状態での試聴をった。接続環境には普段からリファレンスとしているUSB-DACのLUXMAN「DA-06」、そして同社のヘッドホンアンプ「P-700u」のペアを用意した。

PM-1のポテンシャルを測るべく、USB-DACにラックスマン「DA-06」、そして同社のヘッドホンアンプ「P-700u」を用意した

基本的なCDリッピング音源での再生音だが、オーケストラは伸びやかに表現され、旋律もきめ細やかでハーモニーも自然に響く。余韻のコントロールも素直で、ローエンドはゆったりとして広がり良い。ジャズピアノは軽やかなタッチを見せるが、中低域まで伸び良く、ハーモニクスも自然で存在感ある音像として描いている。

ウッドベースは胴鳴りを引き締めつつも弦の張りの生々しさ、伸びやかな余韻の階調表現の細やかさもあり、プレイニュアンスも的確に掴むことができた。ロックにおいてはエレキギターのディストーション表現に粘りがあり、ザクザクとした厚みや弦の質感も丁寧にまとめる。スネアのアタックもスムーズで、キックドラムやベースも密度高くゆったりと低域が響く。ボーカルの肉付きはナチュラルで口元の動きも滑らかに感じられた。

■ハイレゾ音源は音像を有機的かつナチュラルに聴かせてくれる

続いてPCM系ハイレゾ音源を聴いてみた。『ヴィヴァルディ:四季』(HQM:192kHz/24bit・WAV)では、ストリングスやチェンバロの旋律が低域まで厚みよく描かれ、高域は倍音が煌びやかに響く。ローエンドの豊かな音伸びに加え、心地よく艶やかなハーモニーに満たされる。ハイレゾ音源における解像感の追求というよりも、音像を有機的かつナチュラルに聴かせてくれるという傾向にあるようだ。

『イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ「ヴィヴァルディ:四季」〜春』(HQM:192kHz/24bit)

『飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013』(e-onkyo:96kHz/24bit)

『プロコフィエフ:古典交響曲』(e-onkyo:96kHz/24bit・WAV)の管弦楽器は、膨らみ良く鮮明なハーモニーを聴かせてくれる。エッジ感もきっちりと描くが、各々のパートはほぐれ良くスムーズに展開。ローエンドはゆったりと豊かに響き、音場は広がり良い。ロック系音源のボストン『サード・ステージ』(HD Tracks:192kHz/24bit・FLAC)では、12弦ギターのかき鳴らしが粒立ち良く爽やかに描かれる。ボーカルもしなやかで、口元を艶良くウェットに描く。リズム隊は伸び良く厚みがあり、リッチな太さを持つディストーションギターとともに落ち着いた安定感を演出。コーラスワークの厚みも滑らかに聴かせてくれた。

■PM-1はDSDならではなアナログテイストを引き出す

DSDのSuara『DSDライブセッション』(OTOTOY:2.8MHz・DSD)では、肉厚なボーカルのウォームな音色が艶良く滑らかに描かれる。詰まりない優しげな浮き立ち感はDSDらしいアナログテイスト溢れる表現だ。リヴァーブの響きについてもクリアで瑞々しい。バイオリンの流麗な旋律とギターの抜け良い倍音の華やかさが爽やかに融合。胴鳴りの響きも制動高く、全体的に上品なトーンでまとめられる。

Suara『DSDライブセッション』(OTOTOY:2.8MHz・DSD)

長谷川友二『音展2009・ライブレコーディング』〜レディ・マドンナ(筆者自身による録音:2.8MHz・DSD)では、アコギの弦のからっとした浮き上がり方やウッドベースのむっちりとした弦の際立ちを滑らかにまとめ、胴鳴りの弾力感も有機的に描く。ボーカルのタッチが肉付き良く、口元にも艶やかかつナチュラルな抑揚を感じることができた。DSDならではのほぐれ良いスムーズなサウンドで、音場の広がり感も穏やかに展開する。

■入力信号に色づけなく忠実に反応。音像も滑らかかつ高密度に描く

PM-1は、入力された信号に対して色付けなく忠実に反応する平面駆動型ならではの良さに加え、音像を滑らかかつ密度感を持って描いてくれるため、基本的にジャンルの偏りはない。フォーマットでいえば暖色系傾向の表現を得意とするようなので、DSDのようなアナログテイスト溢れる滑らかなサウンドと相性が良いように感じた。

続いては、人気・注目のヘッドホンアンプやハイレゾ対応ポータブルプレーヤーとの組み合わせにおけるPM-1の音質を検証してみた。

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