【第91回】こちらも全力でやります！「ポタフェス2014」高橋敦の超個人的ベスト5

【第4位】地味にすごいこだわりの逸品

新製品でもなければ派手な機能があるわけでもなく、だから紹介する機会も少なく、しかしぜひ注目してほしいすばらしさがある。そんな製品をふたつ、この機に乗じて紹介させてもらおう。

ORBの今回の展示の主役は新製品のDSD対応USB-DAC「JADE casa DSD」なのだが、しかし僕が「これはいい！」と思わされたのは、それと組み合わされていた既存のヘッドホンアンプ「JADE casa」！…の、ボリューム！

そのつまみ心地、肌触り、滑らかな回転に感心してブースの方に聞いてみると、形状にも表面仕上げにもこだわりまくって作ったとのこと。そのこだわり、たしかに届いてきました！また音量の変化の仕方も実に細やかで滑らかで、あらゆる面で使い心地がよい。こういった部分に手間とコストを投じる姿勢たるや実に良し！

フルテックのブースには、僕の中で「近頃のイヤホン＆ヘッドホンアクセサリーでこれがいちばん！」な、プラグサイズ変換アダプターが起立していた。

説明するまでもなく「プラグサイズ変換アダプター」としか言いようがないものなのだが、しかしその分野にはこれまで、クオリティにこだわった製品は皆無だった。そこに登場したこのシリーズは、一目でわかる仕上げの良さで期待が高まるし、実際に使えばプラグをはめるそのカチッと感が手に伝わってきて超納得だ。僕もシリーズ3モデルを購入して使っている。

なお3.5mm→6.35mmのアダプタが2種類ある点だが、イヤホン＆ヘッドホン側のプラグの形状に合わせて用意されている。

【第3位】アレっぽいあのイヤホン

WisetechブースではTTPODのデュアルダイナミックドライバー搭載イヤホン「T1」が展示されていた。先日発表され、話題を集めた製品だ。

まあ「独創的な形状」についてはもう狙ってやってるだろうし、ここまで来れば面白い。ちなみに振動板は「ドイツ製」のバイオナノダイヤフラムだそうだ。

しかし中身を見ると実は、技術的には普通に面白い。小口径で同口径のダイナミック型ドライバー2基のデュアル構成というのもそうだし、その背面のいかにもアレっぽい2基のダクトも、その口径が上下で異なっている点などから、本当に独自のチューニングが施されていることを見て取れる。

音の方も、小口径を生かしたシャープで速い描写はアレにも通じるものがあり、7000円前後という実売目安を考えると十分に魅力的と思えた。