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【特別企画】部屋の環境作りにどう活かされたか

日東紡音響のルームチューニング材「アンク」 ユーザー訪問 − 「長時間聴いていても疲れなくなりました」

2014/06/10
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日東紡音響エンジニアリングのルームチューニングアイテム「Sylvan(シルヴァン)」や「ANKH(アンク)」の愛用ユーザーを訪ねる本企画。今回ご登場いただくのは、「アンク」「コーナーアンク」を導入している松木さん。製品を導入するに至った経緯、そしてその効果のほどをどう実感しているのかを訊ねた。
■オーディオへの復活プランは部屋の環境作りから始まった


今回ご紹介する松木清吾さんは、経営されている会社が全国展開をされている関係で、各地を飛び回り、非常に多忙な日々を送られている。そんな松木さんにとって、今もっともリラックスできる時間がご自宅のオーディオルームで大好きなジャズを聴くこと、そして出張先でのレコード屋巡りやネットオークションでのLPの購入だという。そんな中での貴重な休日に、ご自宅にお邪魔し、いまお使いの「アンク」についてのお話を伺うことができた(松木さんすみませんでした)。

今回お話をうかがった松木さん

松木さんがオーディオを始めた、というよりも再開したのは、ごく最近で2〜3年前のことだという。

「オーディオは30年くらい前に一度やめてしまったのです。その頃はJBLをマッキントッシュで鳴らしていましたが、やめた理由は部屋の環境の悪さでした。その頃はマンションに住んでいたのですが、やたらと響く部屋で、いくら評判が高い機器でも所詮部屋が悪ければいい音で聴くことができないとわかり、家で聴くことをあきらめてしまいました」

そんな松木さんであるから、オーディオへの復活プランは、当然部屋作りからはじまった。現在お住まいの一戸建てに移り、娘さんのピアノ室だった部屋を石井式のオーディオルームに改築した上で、販売店の紹介もあってB&Wの804を導入。本格的なオーディオライフを再開したのだ。

ところが、ここでも松木さんは部屋の環境に満足しない。

「部屋の箱鳴りはなくなったのですが、いい音で聴けないのです。様々なルームチューニング材を購入して試してもみましたが効果があるのかないのかわからない。そんなときに雑誌でアンクを知り興味を持ったのです。そこで120cmの高さの〈アンク〉を購入しました。とりあえずスピーカー後方のセンターに置いて聴いてみたところ、音楽が聴きやすくなりもっとグレードの高いオーディオ機器を聴いてみたくなりました。スピーカーを804から802 Diamondに変更してみたのですが、部屋をもっとよくすれば音ももっと良くなるのではと欲が出てきました。そうしたら効果がありましたので、もっと良くなるのではと思って、今度はコーナーアンクにも興味を持ち始めました」

■〈コーナーアンク〉が決め手 − 高さも効果に影響する


そんな頃に出会ったのが本誌でもお馴染み、日東紡音響エンジニアリングの山下さんである。

「販売店の方からは〈アンク〉を使っている方が部屋の環境で悩んでいる、とご依頼を受けて、松木さんのお宅を訪ねました」と山下さんは当時を振り返る。

松木さんのオーディオルームは約14畳。正面のスピーカー後方には〈アンク〉2台と〈コーナーアンク〉を、左右の一次反射面にも〈アンク〉を設置した構成になっている

山下さんが訪ねた時の状況としては、低音域の躍動感が不足している上に、高音域が歪んで聴こえるため、音量を上げると耳が痛いからスピーカーを外に向けているような状況であったという。

そこで低音域の処理と中高音域の歪みを取ることが重要と考え、前方の両コーナーに150cm高の〈コーナーアンク〉を設置したところ、耳の痛みはすっかり消え、音に深みが出てきたという。さらに上段に〈コーナーアンク〉を追加し、天井まで届く高さにすると、音楽に立体感が加わり音色も改善。そこで〈コーナーアンク〉は天井高までの高さで設置することに。

部屋の環境が整ったところで、昨年の夏にはYGアコースティックのスピーカー「Sonja」を導入。アンプはダン・ダゴスティーノのセパレート、まさに究極のハイエンドを突き詰めたオーディオルームが仕上がっていくのである。

松木さんのシステム。アナログプレーヤーやフォノイコライザーはロクサン。CDの再生系にはESOTERICを愛用。ダン・ダゴスティーノのプリアンプが輝く

松木さんのオーディルームを写真でご覧いただきたい。まさにインテリアルームのような美しさである。〈コーナーアンク〉を設置するにあたってはコーナーに電源コンセントがあったため、そこに電源ケーブルを美しく通せるように木柱の一部を特別に加工している。

〈コーナーアンク〉を設置時にはコーナーに電源コンセントがあったため、電源ケーブルを美しく通せるように木柱の一部を特別に加工(現在は電源コンセントを正面に移動させている)

また、YGアコースティックのスピーカーを導入するにあたっては、120cmサイズのアンクでは高さが足りなくなってしまい、150cmタイプに買い換えるなどの徹底ぶりだ。もっとも高さの問題は音質的なメリットを考慮してのことである。

「〈アンク〉の高さは少なくともスピーカーのトゥイーター部より上にないといけませんね。150cm仕様に替えることで、さらに奥行きが増し、音に深みが出てきました」と松木さんは満足そうに語る。

現在は正面のスピーカー後方には〈アンク〉2台と〈コーナーアンク〉を、左右の一次反射面にも〈アンク〉を設置した構成になっている。

〈コーナーアンク〉は天井までジャストサイズで設置されてるのがポイント

「〈アンク〉の効果を本当に感じたのは去年の暮れに大掃除で全部取り除いた時でした。実際、本当に腑抜けな音になってしまうんですね(笑)。〈アンク〉の効果は一言で言い表せば、空間が確実に広がるということです。楽器の配置や大きさが目に見えるようになりました。そして音楽を聴いていても全然疲れなくなりましたね。5〜6時間ずっと聴いている時もあるくらいですから」

■部屋の環境へのこだわりはジャズのライヴを愛するからこそ


部屋でオーディオをやめて、部屋でオーディオを再開したと言ってもいい松木さん。ご本人がここまで部屋の環境にこだわる理由はどこにあるのだろうか?

「生の感覚といいますか、ライヴの音に近づけたい。音楽ではなく音を聴いているのはいやですね」と語る松木さんは大のジャズファン。特に鈴木 勲さんの追っかけは『ブルー・シティ』(1974年)から続けているそうだ。

弊社刊行誌『analog』の42号では、その鈴木 勲さんのインタビューを掲載しているが、同記事の中でブルーノートのテスト・プレスLPを「友人がどうしても欲しいというので売っちゃった……」という記載があるが、何とその“友人”こそが松木さんであったのだ。長年にわたってライヴの空気感、熱気を肌で感じてきた方だからこそ、松木さんは部屋の環境にこだわっているのだということが、いまのエピソードだけでもよく理解できた。

「部屋の環境を改善させたのは間違いなく〈アンク〉ですね。オーディオは部屋が重要だということを改めて感じさせてくれました。特にいちばん変わったのは〈コーナーアンク〉です」といって再生してくれたのは、音決めの際のリファレンス盤にもしているという山本 剛トリオの『ミッドナイト・シュガー』。

松木さんが音決めの際にも使用するという愛聴盤

「以前はピアノの聴きどころで耳が痛くなりました。それからスピーカーとスピーカーの間でこじんまりと聴こえていたのですが、〈コーナーアンク〉を入れることで、ベースの音のベールが1枚剥がれて、グランドピアノのタッチが目に見えるようになりました」

CDは高音質盤が中心に揃う。SACDよりもxrcd派だという

LPはほとんどがオリジナルの希少盤

その後はヘレン・メリルのLPや、もちろん鈴木 勲の『ブルー・シティ』や『ミッドナイト・シュガー』も聴かせていただいたが、もうその頃には我々も取材を忘れてしまうほどに音楽に浸ってしまった。

いまお持ちのLPはすべてハンルのクリーニングマシーンで洗浄するという。右にあるのが松木さんが販売を手掛ける携帯用水素水サーバー

月の半分以上は出張という多忙な松木さんにとって、音楽に浸る時間、空間は掛けがえのないものであるに違いない。






【問い合わせ先】
日東紡音響エンジニアリング(株)(公式サイト
〒130-0021 東京都墨田区緑1-21-10
コンシューマー営業部 山下、佐古
TEL/03-3634-7567
E-mail:ags@noe.co.jp
※試聴ルーム「サウンド・ラボラトリー」(千葉市稲毛区)試聴募集中(予約制)



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