大橋伸太郎がヤマハの新フラグシップに迫る

【レビュー】ヤマハ“22年ぶり”のセパレートAVアンプ「CX-A5000/MX-A5000」

大橋伸太郎

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2013年09月12日
1990年の「AVX-2000DSP」で、“マルチチャンネル一体型アンプ”を初めて世に問うたのはヤマハだった。その翌年の1991年に、「AVC-3000DSP+AVM-3000」で“セパレート型AVアンプ”という分野を創始したのもヤマハだった。創業125年の今年、ヤマハは意欲的なオーディオ製品を続々と送り出しているが、AVアンプ製品は先述のAVC-3000DSP+AVM-3000から22年ぶりに発表されたセパレートモデル「CX-A5000/MX-A5000」が、新たなフラグシップとして登場した(関連ニュース)。

AVプリアンプ「CX-A5000」

マルチチャンネルパワーアンプ「MX-A5000」


CX-A5000(左)/MX-A5000(右)のチタンカラーモデル
なぜ今セパレートなのか?

一方で「なぜ今セパレート型なのか」という疑問もあるのではないか。今回のCX-A5000/MX-A5000は最大11.2chのマルチ出力に対応するが、かつてヤマハには一体型で最大11.2chまでの拡張に対応した「DSP-Z11」という名機があった。今回のCX-A5000/MX-A5000の価格はそれぞれ¥262,500+¥315,000で、このZ11の¥693,000より安価である。このことがフラグシップとしての価値感の演出でなく、実利的なメリットを見出してのセパレート化であることを物語っている。

DSP-Z11が発売された2007年に比べ、オーディオビジュアル環境は激変した。入力ソースにはPCオーディオなどのデジタルソースが加わった。プリアンプには、そうしたデジタル入力によってアンプ内に混入してくるPCなどのデジタルノイズ対策が切実かつ高度に求められる。今年同社が発売したSACD/CDプレーヤー「CD-S3000」のような高音質機器の出力を万全に受け止めるために、バランス入力(XLR)も必要だ。これらを実現する上で、一体型モデルでは仕様に一定の制約と妥協を余儀なくさせられる。

今回の製品企画の着想を一言で表現すると、“absolute”(完全)。意味するものについては後述するが、“absolute”を実現するために、ヤマハが出発点で選んだ道が<セパレート化>であったわけだ。

大橋伸太郎がCX-A5000/MX-A5000の詳細に迫る

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