話題のソフトをWoooで見る

『ブラック・スワン』の難シーンをプラズマ“Wooo”はどう再現したか

大橋伸太郎

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2011年11月30日
この連載「話題のソフトを“Wooo”で観る」では、AV評論家・大橋伸太郎氏が旬のソフトの見どころや内容をご紹介するとともに、“Wooo”薄型テレビで視聴した際の映像調整のコツなどについてもお伝えします。


『ブラック・スワン』
ナタリー・ポートマンに2010年度アカデミー最優秀主演女優賞の栄誉をもたらした映画『ブラック・スワン』を「サイコサスペンス」と紹介する記事をしばしば見かけるが、これは誤りである。本作は最後まで猟奇殺人事件など起きない。

一人の女性の歪んだ心の鏡に写る世界を現実のように描く本作は、1960年代に登場した「ニューロティックムービー」(精神分析映画)の現代版の一つと考えるのが正しい。

日本映画にもニューロティックムービーがある。その一つが『音楽』(1972監督・増村保造、原作・三島由紀夫)だが、DVD/BDは未発売。

ニューロティックムービーは一度廃れたジャンルだが、最近何故かアメリカ映画で復活、近作に監督・マーティン・スコセッシ、主演・レオナルド・ディカプリオの『シャッター・アイランド』がある。

しかし『ブラック・スワン』には、もっと直接的な影響を与えた先行作がある。一つはロマン・ポランスキー監督の『反撥』(1965仏・英、主演カトリーヌ・ドヌーヴ)で、奔放な姉に依存して暮らしてきたオクテで男性恐怖症の娘が妄想に怯え殺人を犯すまでを描いた映画で、これについては『ブラック・スワン』のダーレン・アレノフスキー監督が「ヒントを受けた」と認めている。

もう一つは『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』(1998日)で、アイドルグループを脱退し、女優へ転身を図る娘の身辺に起きる怪事件を描いたジャパニメーション(監督 今敏)だ。主人公の娘が妄想の中でストリップの舞台に立って裸身を晒すなど、アニメながらかなりセクシーな、大人向けの内容である。

アレノフスキーはこの作品との関連について特に発言していないが、何と『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』のアメリカにおけるビデオ発売等の権利をアレノフスキーが持っているのだそうだ。本作はBD発売されているので、『ブラック・スワン』を見て興味を持ったら比較して、果たして影響があるや否や見極めてみるのも一興だろう(『反撥』はDVDのみ発売)。

ナタリー・ポートマンの鬼気迫る熱演

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