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「極めて高いコストパフォーマンス」

オンキヨーの最高峰サウンドカード「SE-300PCIE」レビュー − USB-DACや他社製カードとも比較試聴

2011/06/17 岩井喬
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■ハイレゾ音源で高級USB-DAC並みの高いクオリティを実感


音元出版の視聴室でテストした。ハイレゾ音源では、本機のポテンシャルがよりはっきり認識できた
続いて192kHzまでのハイレゾ音源も聞いてみた。すると格段に音像の輪郭のハードさ、鮮度感が増し、楽器の芯もとことん核心まで迫れるほどのクリアさとストレートさが実感できる。

硬いだけではなく、アコギやウッドベースの胴鳴り感はふっくらとした爽やかな余韻を感じさせ、ナチュラルな音場感もキッチリと描き出す。量感が豊かだが制動も高く、キックはタイトに引き締まっている。S/Nの良さも際立つが、定位感、位相感も正確で、楽器の存在をすぐそこに感じられるほどの立体感も感じられた。

USB-DACでも、これほど安定感のある192kHz/24bitサウンドは、10万円近いランクの製品でないと味わえない。極めてコストパフォーマンスが高いモデルといえる。またヘッドホンの再生においても付帯感のないリアルなサウンドが楽しめ、ディティールのリアルさと、にじみのない余韻のグラデーション描写が一層際立ってくる。

ヘッドホン出力の音質は「SRH940」で確認した

ヘッドホンアンプ回路もDIDRC構成を採用している

■クリエイティブとのサウンドの方向性は大きく異なる

DSPチップなど、同じコア技術を持つ高音質サウンドカード、クリエイティブ「SoundBlaster X-Fi Titanium HD」も高音質&ボード型スタイルという点で本機と取り回しの面で近い存在といえるが、そのサウンドは大きく異なる。

SoundBlasterは交換可能なオペアンプ構成であるのに対し、本機はオペアンプを一切使わないディスクリート構成で、そうしたアナログアンプ部の土台の差が音質そのものにも影響しているようだ。

SE-300PCIEとの比較試聴も行ってみたが、「SoundBlaster」では空間表現力や低域解像度がやや甘く、定位感や楽器の分離でも曖昧な描写が見られた。もちろん価格差もあるのだが、実際のサウンドはそれ以上の開きも感じられた。

ただヘッドホンの音質に関してはSoundBlasterも相当健闘しており、鮮度感や押し出しが良い、メリハリのある元気の良いサウンドは好印象だったことは付け加えておきたい。

SE-300PCIEは、まさにハイレゾ音源時代に適合した待望の高音質サウンドカードといえるだろう。


【試聴ソース】
 ●クラシック
 ・ユーベル・スダーン指揮/東京交響楽団『ブルックナー:交響曲第7番』(N&F:NF21202)
 ●ジャズ
 ・オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』(ユニバーサル:UCCU-9407)
 ●ポップス
 ・『Pure〜AQUAPLUS LEGEND OF ACOUSTICS』(F.I.X.:KIGA2)
 ・『R.O.D –THE TV- O.S.T』(アニプレックス:SVWC7316〜7)
 ●ロック
 ・ヒート『FREEDOM ROCK』(マーキー:MICP-10900)
 ●ハイレゾ音源
 ・SuaraUSBフラッシュメモリカード「星座(アコースティックバージョン)96kHz/24bit」(F.I.X:FM-001)及び、同内容の192kHz/24bitマスター音源
 ・『音展』ライブレコーディングイベントにおける長谷川友二氏のギター弾き語り(ウッドベース:土井孝幸氏:筆者によるDSD録音→96kHz/24bit及び192kHz/24bitにコンバート)

(岩井喬)

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