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ソニーの新VAIOは“2台目テレビ”になりうるか? - 「Giga Pocket Digital」を使ってみた

公開日 2010/06/09 14:03 編集部:小野佳希
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■テレビとしての基本性能が大幅アップ

さて、テレビというものを考えたときに、やはりメインとなるのは放送波の視聴だろう。この点において、地味だが大きな進化がソフト起動時間とチャンネル切り換え時間の短縮だ。ソフト起動時間は従来の10秒から2.5秒に大幅短縮され、チャンネル切り換え時間も5秒から3秒へと向上している。

また、いずれの場合においても最初に番組名などの文字情報が表示され、それから出画されるように変更された。出画までの“場つなぎ”的な使いでデータの軽い文字情報を先に出すことにより、体感時間を短くしようという狙いだ。

最初に番組情報を表示

実際に体験してみると、この効果は意外と大きい。これまでは出画するまで真っ黒な場面で待たされていたわけだが、文字が表示されることで「チャンネルが変わったな」と実感でき、「待たされている感」は確実に減少していると感じた。

録画したコンテンツの視聴に関しては、「スポーツダイジェスト再生」が便利だ。同機能は、独自の解析技術によって実際のプレー場面だけを抽出するというもので、ダイジェストの程度を、短め/少し短め/おすすめ/少し長め/長めの5段階から選択できる。

ダイジェスト再生の画面例

実際に記者はサッカーと野球を視聴してみたが、サッカーでは「短め」の設定でもゴールシーン後のリプレイもカットせずに再生するなどツボを心得た動作を見せた。また、野球でも得点シーンを中心にポイントとなるシーンはもちろんしっかり押さえている。

そのほか、視聴に関してはもちろんデータ放送も閲覧可能。なお、データ放送で表示される項目は付属のテレビリモコン、もしくはメニューからデータ放送操作用ボタンを呼び出して選ぶことになる。ディスプレイへのタッチ操作やマウスクリックでは選択できないので少し注意が必要だ。

データ放送操作ボタンを表示させたところ

■視聴スタイルの幅を広げるレコメンド機能

新「Giga Pocket Digital」では、視聴や録画に関する様々なレコメンド機能も特徴。その中でもまず大きく変わったのが、ソニー独自のメディアプレーヤー「Media Gallery」との連携だ。

同機能では、Giga Pocket Digitalで録画した番組もMedia Galleryでのオススメ対象に追加。録画した番組を未視聴のまま埋もれさせてしまうようなケースに対応するための策として使えるようになった。なお、Media Galleryで表示されたサムネイルをクリックするとGiga Pocket Digitalが起動する仕組みになっている。

「Media Gallery」で録画したコンテンツもオススメ対象に

オススメ一覧のサムネイルをタッチ/クリックすると「Giga Pocket Digital」が起動する

また、録画したコンテンツを見終えると、同ジャンルの番組をレコメンドする機能も装備。同機能では、今後放送予定の番組と録画済みのファイルの両方を表示し、録画、視聴の両面で活用できるように配慮されている。

視聴後に表示されるレコメンド画面

そのほか、使用してみて印象的だったのが、視聴動向を分析してよく見る番組ジャンルをランキング表示したりする「Myカルテ」機能だ。タレント名ランキングでは「特に好きなわけでもないけど、言われてみれば確かによく見る番組に頻繁に出演しているな。じゃあせっかくだからこの人が出るほかの番組も録画してみるか」といった具合に、それまで興味のなかった番組をチェックするという行動を取った。意外と自分のテレビライフの幅を広げるのに役立ってくれるかもしれない。

ランキング表示画面の例。タレント名やジャンル名をクリックするとそのキーワードでの番組検索結果が表示される

■2台目テレビとして充分に“アリ”

冒頭でも触れたように、ボードPCにおいては特にテレビ機能を強く意識した新“VAIO”。実際にテレビ機能はストレスなく使え、「テレビ機能も搭載したパソコン」というよりも「テレビとパソコンの一体型モデル」とでもいうような性格を感じさせる。

そして、テレビ放送や録画コンテンツを観ながらのウェブブラウジングなども、もちろん問題なく快適に行えた。テレビを見ながらリアルタイムにtwitterや2ちゃんねるへ投稿する、いわゆる“実況行為”の際などには、むしろパソコンでテレビを視聴していたほうがやりやすいかもしれない。また、前述した「おまかせ・まる録」でのキーワード入力などにキーボードを利用できる点なども含めて、パソコンでテレビを見るというメリットが意外と多いことに気付かされる。

今回のテストに使用した「Jシリーズ」の画面サイズは21V型。直販モデルでのVAIOオーナーメードでは、高画質化エンジン「Motion Reality HD」搭載のNVIDIA GeForce 310Mを選択することも可能だ。また、24V型で「S-Master」やHDMI端子も搭載する上位モデル「Lシリーズ」も新Giga Pocket Digitalを利用できるので、好みに合わせてこちらを検討してみるのもよいだろう。

画面サイズがテレビとしてはそれほど大型ではないため、ファミリー層がリビングでのメインテレビとして使うにはさすがに厳しい部分もあるが、2台目テレビとしては有力な検討候補にしてもよいと思う。また、ひとり暮らしの大学生がメインテレビ兼用のパソコンとして使うなどの用途としても使い勝手の良いモデルではないだろうか。

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