シリーズ50周年を記念したリマスターBOXが発売

3人ライダー集結!『仮面ライダー』は「命がけ」の記録、4Kリマスターで蘇る熱い時代

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編集部:松永達矢
2021年07月20日
今年で放送開始から50周年を数える特撮ドラマ「仮面ライダー」のシリーズ劇場版8作品の4Kスキャンリマスター版を収録する「仮面ライダーTHEMOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX」の発売を記念して、『「KAMEN RIDER FILM ARCHIVE SPECIAL NIGHT」レジェンドライダー スペシャルトーク舞台挨拶&上映会』が7月19日(月)に丸の内TOEIにて開催された。

本イベントでは11月10日(水)に発売される同商品にも収録予定の『仮面ライダー対ショッカー』(1972年)、『仮面ライダー対じごく大使』(1972年)、『仮面ライダーV3 対デストロン怪人』(1973年)の4Kリマスター版を一挙上映。

また、上映前に行われたスペシャルトークでは、 “初代ライダー” 本郷猛/仮面ライダー1号を演じた藤岡弘、をはじめ、佐々木剛(一文字隼人/仮面ライダー2号役)、宮内洋(風見志郎/仮面ライダーV3役)ら、今なお続くシリーズの礎を築いた「3人ライダー」が集結することもあり、チケットは即完売。感染防止策として座席は間隔が設けられてはいたものの、劇場はファンたちの熱気で包まれていた。

シリーズの礎を築いた「3人ライダー」がイベントに登壇

イベントMCは読売新聞社で記者としての活動の傍ら、長年個人で多くの特撮イベントの企画・プロデューサーを努めてきた鈴木美潮が担当。藤岡は、大入りの劇場席を前に「(撮影をしていた50年前は)まったく予想していなかった。驚くべき歴史だ」とコメント。佐々木は「みんないい大人になってもまだ仮面ライダーを愛してくれている。本当にありがとう」と感謝を述べた。宮内は撮影当時、映像媒体で自分の演技が残るとは思っていなかったと語り「藤岡先輩、佐々木先輩が(変身ブーム)に火を付けてくれた」からこそ、自身の演じたV3があると振り返った。

「1号、2号、3号が健在で今居るということ自体、奇跡のように感じる」と、藤岡。「CGといった映像効果のない昭和の特撮に命がけで立ち向かった仲間らとシリーズ50周年を迎えることが出来て思わず熱くなった」と胸中を吐露した。続けて「昭和という何も無い時代、私だけではなく多くのスタッフの想いのお陰で50年続いたもの」だと熱弁。藤岡の熱い心に応えるように観客からは盛大な拍手が巻き起こった。

多くの観客を前に藤岡は「CGといった映像効果のない昭和の特撮に命がけで立ち向かった仲間らとシリーズ50周年を迎えることが出来て思わず熱くなった」と語った

また、藤岡の撮影中に伴うバイク事故というアクシデントから生まれたものではあるが、シリーズとして今日まで続く大きな要素「2号ライダー」を演じることとなった佐々木は「既に2本のドラマのスケジュールがあり、断ろうとも思ったが断らなくてよかった、彼(藤岡)が戻ってくる場所を潰すことなく、責任を果たせて嬉しかった」と思いを語った。

一文字隼人、仮面ライダー2号を演じた佐々木は、今でも自分を応援してくれる「仮面ライダー」のファンに感謝を述べた

自分の代わりになってくれた佐々木への感謝に続き、そのバトンを引き継いだV3=宮内について藤岡は「命がけな撮影の中よくぞ今まで存在しておられる」と率直な意見。イベント後に上映された『対デストロン怪人』でも顕著な、派手に爆薬を使ったアクションシーンについて触れると宮内は「火薬が好きなんです!」とコメントし、場内を沸かせた。

危険なアクションを物ともしない体当たりな演技をこなした宮内

イベント終盤ではMCである鈴木氏からの “熱い” リクエストに応え、藤岡、佐々木、宮内の3名が一人ずつ壇上中央にて「変身ポーズ」を披露。藤岡は「ハーッ!!!!」と劇場に轟く気合いの一声を上げた後、まるで “居合” をするかのような力強さで変身ポーズを披露。

近年の劇場作品でも変身ポーズを披露するなど、胴に入った藤岡の変身ポーズ

仮面ライダーにおいて初めて変身ポーズを披露した佐々木は、シリーズ内でも披露した前口上「ショッカーの敵、そして人類の味方。お見せしよう!」を述べてポージング。宮内も同様に、劇中で自身の演じた風見志郎が放つ「おのれデストロン! ゆくぞ!」と往年を彷彿させるセリフとともに華麗な変身ポーズを見せてくれた。昨今の世情から声が出せない現場であったが、その代わりに万雷の拍手が劇場に鳴り響いていた。

「ブイスリャーッ!」といったファンにおなじみの掛け声も披露。その健在っぷりをアピールした

「仮面ライダー」で初めて変身ポーズを披露した佐々木の所作には50年の重みを感じた

最高画質に“変身”! 4Kリマスター版の美麗さは本物だった

「レジェンド」のトークショーで覚えた興奮が冷めやらぬ中、文字通りの “命がけ” のアクションが目白押しの劇場作品『仮面ライダー対ショッカー』『仮面ライダー対じごく大使』『仮面ライダーV3 対デストロン怪人』が一挙上映された。

3作品にも共通していることだが、十分な光量のある野外撮影パートで被写体にカメラが寄るシーンは漏れなく「昨日撮った?」と言いたくなってしまうような美麗さ。つい先程50年後の主演たちを眼前にしてしまっている手前、どう考えても勝手な思い違いであるのだが、ここまで綺麗に見せてしまう4Kリマスターの技術力には驚かされると同時に、フィルムに刻まれた「本来の」情報量を垣間見て感慨深さを覚えた。

ただ、4Kリマスターによって「綺麗になってしまう」という箇所もあり、例えばライダーのマスクの塗りのムラですら視認可能な程であり、仮面ライダーの「覗き穴」からスーツアクターの目までもハッキリと見えてしまうシーンも多くなっている。画面奥に映る「沿道を走るライダーのバイクを追う一般の子供」の私服の柄まで判別できてしまうほどだ。ただ、この点に関してはトークショーでも触れていたように「何もない時代に尽力したスタッフや人々の想い」が表れている部分でもあるだろう。

『仮面ライダー対ショッカー』

また、狙った造形をしているという前置きもあるのだが、怪人のスーツから見え隠れする「スーツアクターの目」に関しては、「改造人間」というキャラクター付けをさらに補強するような「映り込み」の高解像化は、暗闇に光る人間だった頃の名残である眼光の怖さ、初期ライダーにあった怪奇性をより色濃く演出しているようにも感じた。今なお続く「仮面ライダー」では大分薄れた要素であるので、スクリーン鑑賞時には「こんな怖かったのか…」と、仮面ライダーを通して久しく覚えていない感情を突き動かされてしまった。

『仮面ライダー対じごく大使」

宮内が「好きなんです」と言い放ったように、誇張抜きでオープン撮影時のカットで5分に1回以上の割合で爆破シーンがある『対デストロン怪人』では、リマスター前と比較して爆発箇所から飛散する先端部分(撮影用語で言うところの「ツノ」の部分)がより鋭利に描かれているため、「このシーンの火薬量はどうなっているんだ…」と観ながらにやや引いてしまうほどだった。「今なお健在」の言葉の意味がかなり強く実感できてしまうほどに、役者の近くで爆発させていい火薬量ではない…と冷静になれる程度に「見える」ようになっている。いくらCGで何でも撮れる時代になったとは言え、このような実写シーンはコンプライアンス的側面でももう二度と撮ることはできないだろう。そういった意味でも記録として非常に価値あるものと言っていいのかもしれない。

『仮面ライダーV3 対デストロン怪人』

まさに「ベールを一枚剥がし取ったかのようなクリアな映像」で描かれる先の3作を含めた劇場作品8本を収録する「仮面ライダーTHEMOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX」(4K UHD BD 2枚/BD 2枚)は11月10日(水)の発売だ(販売価格:税込22,000円)。



「仮面ライダーTHEMOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX」

「仮面ライダーTHEMOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX」

発売日:2021年11月10日(水)
価格:22,000円(税込)
収録作品
■DISC1
『仮面ライダー対ショッカー』(1972年3月公開)
『仮面ライダー対じごく大使」(1972年7月公開)
『仮面ライダーV3 対デストロン怪人』(1973年7月公開)
『五人ライダー対キングダーク』(1974年7月公開)
■DISC2
『仮面ライダー 8人ライダーVS 銀河王』(1980年3月公開)
『仮面ライダースーパー1』(1981年3月公開)
『仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ』(1988年3月公開)
『仮面ライダーBLACK 恐怖!悪魔峠の怪人館』(1988年7月公開)

スタッフ 原作:石ノ森章太郎
発売元:東映ビデオ株式会社
販売元:東映株式会社

(C) 石森プロ・東映

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