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「着るカイロ」にもなる

ソニーの “着るクーラー” 「REON POCKET」を着てみた。効果はどの程度?

公開日 2020/07/11 06:50 編集部:風間雄介
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これらのモード切替をこまめに行うのが面倒、という場合は、「MY MODE」を設定すると良い。たとえばCOOLのレベル2を10秒、停止時間を20秒、という動作を繰り返し行うなど、自分の好きなように調整できる。もちろん停止時間を途中に挟めば、そのぶんバッテリー持続時間も延びる。季節や環境に応じて、工夫次第で様々な使いこなしができるのは嬉しいポイントだ。

MY MODEの設定画面

さらに「AUTO MODE」も備えている。これは、温度の状態や、静止しているか動いているかなどの状態を感知し、自動で適切な温度に調節するというものだ。止まっている状態ではCOOLレベルが1、少し歩いて体温が上がってきたら2や3、といったように、ユーザーが何も考えなくても良い感じに調整してくれる。

さて、電源はスマホでON/OFFできると先ほど述べたが、本体の電源ボタンを長押しして起動するクイックモードも用意されている。この本体ボタンで起動した際、「MANUAL MODE」「AUTO MODE」「MY MODE」のどのモードを動作させるかを任意に設定可能だ。

なお、本体の電源ボタンは少し突起しているので、服の上からでもボタン位置はわかりやすく、電源の入/切はしやすい。スマホが手元にない、アプリを開くのが面倒、というシチュエーションでも、すぐに冷やしたり温めたりできるのはありがたい。

本体側面に電源をON/OFFするスイッチを装備。その下のUSB-C端子で充電する

本体の電源ボタンで起動した際、どのモードにするかをあらかじめ設定できる

記者は「AUTO MODE」が気に入ったので、これをメインにして、何日か過ごしてみた。まず出社する際、朝に最寄り駅に着いた状態で汗だくだったのだが、体温が上がったことを感知したのか、COOLのレベルが上がって、体を冷やそうと本体が頑張る。ひんやりした箇所が一カ所でもあると、ストレスがだいぶ軽減されることが実感できた。またファンが盛大に回ると、風が首の下から吹いて、これも涼感に役立つ。

排気口を上部に装備

電車の中で空調にさらされ、次第に体が冷えてくると、COOLレベルも抑えられ、ファン音も静かになる。ファンの音は、たとえ満員電車でも、周囲に迷惑をかけるレベルではないと感じた。

季節外れではあるが、WARMモードも試してみた。アプリでWARMモードに切り替えると、10秒程度で本体がWARMモードに切り替わる。そのほかの操作は基本的にCOOLモードと同じだ。

個人的にはWARMモードの効果は、COOLモードよりわかりやすいと思った。ソニーでは本機を「着るクーラー」と表現しているが、WARMモードにすると「着るカイロ」になる。しかも使い捨てではなく、充電すれば何度でも使える。気が早いが、インナーウェアもヒートテック的な素材のものが欲しいと思えてくる。

なお、バッテリー持続時間は冷却時が約2.5時間、温熱時が約2時間。オフィスに着いたら充電する習慣をつければ、通勤時間が長い場合でも使用できる。逆に通勤時間が短ければ、途中の充電をせず、行き帰りや外出時までカバーできる可能性がある。

何日か使ってみた感想を率直に書くと、本機だけで大きな涼感を得られると考えると、期待外れに終わるかもしれない。特に真夏は、ほかに団扇やタオルなど、既存の暑さ対策グッズを併用することが欠かせないだろう。あくまで、冷感を得るための補助ツールと捉えたほうが良い。だが、これを着けずに出社した際、「今日はREON POCKETがなかった」と物足りなさを感じたのも事実。使っているうちに、なくてはならないものに変わっていった感覚がある。



冒頭でも触れたように、すでにソニーストアでは、本機の販売はいったん終了している。次なるモデルが用意されているということだろうか。まだ発展途上の部分もあるが、テクノロジーの力で暑さ対策を行うという発想、そしてその発想を形にする技術や実現力が素晴らしい。今後の進化に期待したい。

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