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1辺10cm・質量950gと小型

NICT、箱形3Dディスプレイを開発 − 6面から裸眼で視聴可能

公開日 2009/04/15 16:29 Phile-web編集部
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gCubik
独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は、10cm四方の箱の中に裸眼で観察可能な立体映像を再現可能なキューブ型3Dディスプレイ「gCubik」を開発した。

本機は、3D映像を裸眼で観察できる箱形の映像投影装置。箱を形成する6面全てから立体映像を視聴可能で、箱の中に立体映像が存在しているように見えるのが特徴。

キューブの各側面には、立体写真技術「インテグラルフォトグラフィの原理」を応用した裸眼立体ディスプレイの技術が応用されている。

ある物体を観察するとき、物体までの距離や目の位置の違いから、ヒトの左右の目にはそれぞれ異なる像が映る。これを視差と呼び、視差によってヒトは立体感を知覚する。インテグラルフォトグラフィは、要素画像と呼ばれる特殊な撮影で得た写真の上に、ハエの眼状に並べた凸レンズアレイの効果によって水平ならびに垂直方向の視差を提示する方式。「gCubik」では、写真の代わりにLCDに要素画像を表示することで電子的にインテグラルフォトグラフィを実現しているという。

インテグラルフォトグラフィの原理を用いれば、上下左右いずれの方向に頭を動かしても立体像が裸眼で観察可能だったが、これまでの技術では大きく頭を動かしたり、強い角度からディスプレイ面を覗き込む必然性がある箱形に組み上げた場合には、正確な立体視ができないという問題点があった。

本機の開発に当たっては、レンズアレイに求められる必要充分な性能の導出や、立体映像のレンダリングに必要なアルゴリズムの開発、実装による原理検証などの種々の新規な学術的検討も行い、これらの技術的な課題をクリアしたという。

NICTではこれまでも研究を行ってきていたが、レンズの再設計や配列を工夫するなどして、今回の立体映像では従前と比較して明るさを3倍、解像度を1.4倍へ向上させた。

システムの全体像。装置内にはアヒル型のおもちゃが投影されている

また、3Dディスプレイ部には極力制御基板等を配置しないなどの工夫により小型化することにも成功し、10cm四方程度で950gという大きさを実現している。

さらには、ディスプレイ部の各表面にはタッチパネル、内部には姿勢と加速度が計測できるセンサーやスピーカーを取り付けることによって、簡単な立体映像とのインタラクションができるようにしている。

NICTでは同技術について「二次元の写真の代わりに立体映像を見せ合うなどの、将来のコミュニケーション場面に新しい手段を提供できるものだ」とコメント。今後は、複数の「gCubik」を協調させて利用するアプリケーションの開発やワイヤレス化、画質の改善など実用化へ向けた取り組みを行っていくとしている。

なお、本機は4月20日〜23日に米国ラスベガスで開催されるNAB2009に出展されるほか、京都にあるNICTけいはんな研究所において見学可能。見学希望者は下記問い合わせ先へ連絡が必要だ。

【問い合わせ先】
ユニバーサルメディア研究センター
超臨場感システムグループ
Tel/0774-95-1453

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