お家インクジェットユーザーからの切り替えをターゲット

富士フイルム、2020年の年賀状印刷は前年比100%以上を目指す。スマホアプリの操作性も改善

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
2019年08月26日
■年賀状は家庭でのインクジェット出力が大きく減少

富士フイルムイメージングシステムズは、2020年賀状の施策について、同社取締役 フォトイメージング事業部長・河野通治氏が説明を行った。

富士フイルムイメージングシステムズ(株)取締役 フォトイメージング事業部長・河野通治氏

日本郵便が発行する年賀はがきは、2019年賀ハガキが対前年比86.3%の25億5,900万枚へと大きく減少。年賀状離れに加え、52円から62年に値上げされたことも影響したと見られる。河野氏は「中でもインクジェット写真用はがきが対前年比約20%と大幅に減少している」と指摘。個人の年賀状作成利用傾向でも、家庭でのインクジェットプリンターによる印刷が減少し、外注市場の構成比が前年の16.1%から20.1%へ拡大する。

年賀状注文における外注市場の構成比は、お家インクジェットからの切り替えで増加傾向を示す

写真業界トータルでの年賀状印刷は1億3,900万枚と微増傾向を見せるが、「年賀状全体でのシェアは5.4%にとどまっている。やり様によってはまだまだ伸ばせる余地がある」との見方を示し、積極的な施策を展開していく構えだ。

富士フイルムの2019年賀状に見られる傾向では、年々利用率が高まるスマートフォンからの注文がほぼ半数にまで拡大した。店頭機では前年46.3%から52.6%へ、ネットでは同43.5%から46.7%に構成比が高まった。注文時期からは「喪中はがき印刷の早期受注獲得、そして、さらに後半化する年末の駆け込み、この二大需要の取り込みが大きなテーマになる」と説明した。

伸長が期待された宛名印刷は、富士フイルムネット公式サイトにおける比率が15.9%、1,161円の単価アップに貢献する。しかし、全ラボ合計の宛名印刷比率はわずか2.3%にとどまり、「店頭受付機からの普及拡大が課題になる」と訴えた。アンケートなどでは宛名印刷に対する高いニーズが明らかとなっており、「利用意向は高いはず」と引き続き大きな期待を寄せる。

■キャンペーンで新規需要を掘り起こし

2020年賀状では、お家インクジェットユーザーからの切り替えをターゲットに、“フジカラー=銀塩写真のキレイさ”による競合との差別化を昨年に引き続き徹底していく。ポスターから店頭チラシに至るまで、「フジカラー品質だから、断然キレイ!」をキャッチコピーに掲げて訴え、イメージキャラクターの広瀬すずさんを前面に打ち出した共通デザインで認知徹底を図る。

各種ポスターから店頭チラシに至るまで、イメージキャラクターの広瀬すずさんを起用し、「断然キレイ!」のキーワードで競合他社と差別化を図る

ラインナップは、昨年も一番人気だった「ミッキー&フレンズ」のデザインを、子年にもふさわしくさらに充実するなど、前年より28点多い439点を揃える。新キャラクターでは人気の「はらぺこあおむし」を起用。2020年限定の特別企画商品「令和・新元号記念デザイン」を用意する。写真が映えるおしゃれなデザイン年賀状として人気を集める「LETTERS」も新作を拡充する。

新規需要獲得へ向けたキャンペーン施策を強化。昨年、お試し利用者の7割が本注文を利用した「1枚無料体験キャンペーン」では店頭展開に力を入れる。告知ツールやそこに記載されたQRコードからすぐに詳しい内容が確認できる「1枚無料体験サービス紹介サイト」を新たに立ち上げ理解を促進。さらに、広瀬すずさんから年賀状がもらえる、先着1万名様限定の「フジカラーの年賀状 購入者特典キャンペーン」を展開、早期受注を促す。

注文が拡大するスマホアプリは、操作性の改善をさらに進めると同時に、人気の「ディズニー」と「LETTERS」には専用のアプリを設けて間口を拡大する。宛名印刷では、前記の「1枚無料体験キャンペーン」と同様に店頭からの展開を強化。告知ツールを用意し、そこに記載されたQRコードから、お客様自ら詳しい内容を容易に確認できる「宛名印刷サービス紹介サイト」を新設した。また、年末の駆け込み需要に対し、店頭はがき印刷システムに「フジカラー年賀状」のデザインをトライアルで導入。店頭での即時対応を展開する。

河野氏は「少子化や年賀状離れが指摘されるが、年賀状印刷のシェアはまだ5.4%に過ぎない。お家インクジェットユーザーからの切り替えをターゲットに、対前年比100%以上を目指す」と力を込めた。

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