AIセンサー開発を推進

ソニー、2019年度第1四半期決算を発表。営業利益は第1四半期として過去最高、イメージセンサーが牽引

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
2019年07月30日
ソニーは2019年度第1四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比279億減となる1兆9,257億円、営業利益は第1四半期としては過去最高となる、同359億円増の2,309億円、四半期純利益は同743億円減の1,521億円となった。

ソニー(株)専務 CFO・十時裕樹氏

なお、今期の特定ライセンス契約締結に伴う特許料収入や、前年同期のSpotify社の株式評価益および売却益などの一時的要因を除いた調整後の数字は、営業利益が同280億円増の2,230億円、四半期純利益は同56億円増の1,464億円となる。

ソニー2019年度第1四半期連結業績。営業利益は第1四半期としては過去最高

2019年度連結業績見通しでは、売上高のみ4月時点より2,000億円減となる8兆6,000億円へ下方修正を行った。また、地政学リスクが高まる中、「先手を打って必要な対策を速やかに行い、事業への影響を軽減していく」(専務 CFO・十時裕樹氏)と説明した。

セグメント別業績では、テレビ、スマートフォン、デジタルカメラの販売台数減により、「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野」の売上高が前年同期比842億円減の4,839億円と大幅減収、営業利益も76億円減の251億円となった。

テレビは販売台数が23%減少した。昨年はワールドカップの好影響があったこと、そして、期初から競合間の価格競争が激化していることを要因として挙げた。高付加価値商品へのシフトを進めて成果を出すが、「価格差が開くと販売数量も落ちてしまう。価格の見直しや新製品の投入により、数量に固執せずに利益を取っていく。6月からは持ち直しているが、パネルの価格など競争環境には細心の注意を払っていく」と語る。

一方、好調で牽引役となったのが、同社の柱と位置付け、その事業特性や今後の方向性を理解いただく意味から、従来の半導体分野より名称変更となった「イメージ&センシング・ソリューション分野」。モバイル機器向けイメージセンサーの大幅な増収により、売上高は前年同期比284億円増の2,307億円、営業利益は同204億円増の495億円と大幅な増収増益となっている。

数多くのスマートフォンメーカーが、特に中高級機を中心にソニーのイメージセンサーを採用。カメラの多眼化による数量増、センサーサイズの大型化による付加価値化が追い風となる。「お客様のベースが拡がっているため、スマートフォンがグローバル市場で縮小してしまわない限りは、中長期的に大きな変化はない」と安定成長の見方を示した。

イメージセンサーにAIを組み合わせてインテリジェント化するAIセンサーの開発を推進

同分野の将来に向けた方向性として、イメージセンサーにAIを組み合わせてインテリジェント化するAIセンサーの開発推進を明言。「センサーハードウェアの強みを活用するのみならず、AI技術や多様なアプリケーション開発が必要になることから、この取り組みはソニーグループ全体で進めていく」と力を込めた。

「AIとセンシングは自動運転、IoT、ゲームやイマーシブ・エンターテインメントなど幅広い領域に使われていくと考えられる。画像データやセンシング情報をセンサー内で高度に処理することで、イメージセンサーをハードウェアからソリューションやプラットフォームへ進化させられる可能性がある。イメージセンサーはソニーグループの成長戦略の柱のひとつを形成する重要な事業となる」と訴えた。

最後に、ソニーの企業価値向上に向けた取り組みを説明。「2012年度からの中期経営計画以降、各事業の構造改革と収益力強化を進めてきた結果、いまではそれぞれの事業が高い競争力を備え、安定してキャッシュフローを生み出せるようになった。今後、それぞれの事業が成長の施策を講じていくと同時に、多様性を活かし、事業間のシナジーを創出していく」と語る。

そして、各事業の成長と事業間シナジーの創出を横串で支えるのが「テクノロジー」だと指摘。「これこそがソニーのユニークさであり、強みである。テクノロジーに裏打ちされた、クリエイティブ・エンターテインメントカンパニーとして、より一層成長に注力し、長期的かつ持続的な企業価値向上に取り組んでいく」と決意を示した。

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