アルメックス「Sma-pa TERMINAL-Z」開発の背景とは

AI顔認証で診察券いらず、QR決済に現金引き出しも。病院の「自動精算機」次世代機の凄さと狙い

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
2019年07月29日
■AIによる顔認証で手ぶら診療を実現

USEN-NEXT GROUPのアルメックスは、7月17日から開催された病院・保健・医療・福祉分野における総合展示会「国際モダンホスピタルショウ2019」において、7月17日に発表した次世代型医療費自動精算機「Sma-pa TERMINAL-Z」を初公開し、来場者から大きな注目を集めた。

「Sma-pa TERMINAL-Z」(写真右)は、高齢者にもストレスを感じさせない使いやすさを重視。タテ型21.5インチの大型モニターを採用。現金引き出し部は大手コンビニエンスストアのATMにも採用される高性能デバイスを搭載。設置環境にあわせて選べる2色展開

同社は今年2月、これまで23年にわたって病院に提供してきた再来受付機や自動精算機のテクノロジーと病院外来に関連する知見を集大成して次世代受付機器を開発。窓口業務を一新する「Sma-pa TERMINAL」を発表している。AIを採用した顔認証機能が搭載され、事前に顔登録した患者の顔が診察券代わりとなり、受付、精算や保険証の自動認識を可能とする。クレジットカードや銀行ペイ、各種電子マネーやQRコード決済などさまざまなキャッシュレス精算に対応し、患者の“手ぶら診療”を実現する。面会証発行機能、スマホアプリによる連携、後払い決済への対応など病院の窓口業務を大きく改善。翌3月には東京医科大学病院で早くも採用されるなど導入が進んでいる。

今回、初公開された「Sma-pa TERMINAL-Z」は、「Sma-pa TERMINAL」で実現した革新的な機能は継承し、同社初のキャッシュアウト機能を搭載した次世代型医療費自動精算機。医療費を支払うために、事前に銀行やコンビニエンスストアのATMで現金を引き出していた手間も不要となる。

■後払いとキャッシュアウトの大きな意義

アルメックスは1966年の創業。ビジネスホテルやレジャーホテル、飲食店、ゴルフ場における自動精算機や受付機など、フロントの管理システムをサポートし、業務を効率化するトータルソリューションを提供する。医療機関においても23年の実績を有し、自動精算機では大病院を中心に900以上の医療機関が導入、65%のトップシェアを誇るなど、各製品・サービスが高いシェアを獲得するトップブランドだ。

同社執行役員 メディコム事業部長・鈴木伸幸氏は、病院の窓口業務を一新する次世代受付機「Sma-pa TERMINAL」を“受付機の超発展形”と表現する。「従来の受付機という枠を超えたもの。“ターミナル”という新たなコンセプトを打ち出しました」と語る。今回、自動精算機においても、Sma-pa TERMINALで実現した“ターミナル”機能を盛り込む「Sma-pa TERMINAL-Z」を開発することで、「これからは入口(受付機「Sma-pa TERMINAL」)と出口(自動精算機「Sma-pa TERMINAL-Z」)を有機的につないで、病院のフロントオペレーションを大きく改善していきます」と意気込みを示す。

(株)アルメックス 執行役員 メディコム事業部長・鈴木伸幸氏

両機に搭載される注目機能のひとつとして鈴木氏が挙げるのが後払い決済への対応。「患者さんにとっては、会計を受け付けてから計算、支払いが完了するまでに要する待ち時間が解消されます。病院側では、現金扱いの手間から解放されることはもちろん、後払い分の会計は後に回せるため、懸案だった会計時の混雑を解消できます。スタッフの適正配置や人員削減にもつながっていきます」とアピールする。

そして、Sma-pa TERMINAL-Zに搭載されたキャッシュアウト機能は、2017年4月の銀行法改正により可能となったもので、これまでも、イオンのサービスカウンターや一部レジ、東急電鉄の駅の券売機に導入され注目を集める。銀行のコスト削減策の一環から、病院に設置される銀行ATMの数は減少傾向にある。「キャッシュレス化が進むとはいえ、現金がなくなることはありえません。特に、都市部ではなかなか実感できないことですが、コンビニさえもほとんどない地方においては、本当に便利かつ欠かせない機能になります」と説明する。

■病院職員の働き方改革を加速

20年以上前に医療機関に着目したアルメックス。「当時は、再来受付機や自動精算機は“人減らしの道具”として冷たい視線を浴び、まともに取り合ってはもらえませんでした」と振り返る。「しかし、今はそれとは正反対です。医療現場は深刻な人手不足で、働き方改革が切実かつ大きな課題として突き付けられています」。

顔認証搭載の次世代受付機「Sma-pa TERMINAL」(写真)と次世代型医療費自動精算機「Sma-pa TERMINAL-Z」には、受け付け時にサーモカメラによる熱発検知も行えるため、外来患者の熱発を検知してトリアージを支援、はしかやインフルエンザによる院内感染防止にも寄与する

病院は全国に8,389(政府統計平成30年3月概数。以下同)ある。しかし、自動精算機や受付機が導入されているのは大病院を中心にまだ2割に満たない。さらに、一般診療所(クリニック)が101,860、歯科診療所が68,756ある。

「クリニックや歯科にあわせた安価でスペースを取らない小型のものも開発しており、導入が始まっています。Sma-pa TERMINAL、Sma-pa TERMINAL-Zは、病院の経営向上や人出不足・効率化の課題を解消し、患者にとっては待ち時間などのストレスなく診察を受け、帰路に就くことを可能にするもの。病院経営、病院スタッフ、そして患者さんの“三方良し”を実現できてこそ意味があります」と語る鈴木氏。「今後も新しい技術を活かし、革新的な病院の窓口業務運用とテクノホスポタリティを提供して参ります」と力を込めた。

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