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4K動画記録できるSDXCカードも登場

パナソニック、4K動画撮影可能なミラーレス一眼「LUMIX GH4」を今春発売へ

2014/02/07 ファイル・ウェブ編集部
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パナソニックは、世界で初めて4K動画撮影に対応したミラーレス一眼カメラを、2月13日から開催される写真関連製品イベント「CP+」に出展。「LUMIX DMC-GH4」として今春グローバル市場に投入することも明らかにした。また、4K動画記録が可能な新規格“UHSスピードクラス3”対応のSDXC/SDHCカードも発表。動画撮影時に30MB/s(240Mbps)の最低書き込み速度を保証する「SDUCシリーズ」として今春にグローバル市場で投入する。


SDカード SDUCシリーズ

「LUMIX GH4」は、有効1605万画素の4/3型LiveMOSセンサーとヴィーナスエンジンを新開発。動画撮影ではミラーレス一眼として世界で初めて4K撮影に対応した。フルHD動画は200Mbps(ALL-Intra)、100Mbps(IPB)記録にも対応している。

DMC-GH4

液晶モニターは3.0型でチルトにも対応し、静電容量式タッチパネルを採用。約236万ドットの有機ELファインダーや、フラッシュも搭載している。また、Wi-FiとNFCも内蔵し、スマートフォンによるリモート操作などにも対応している。

液晶モニター3型でチルト対応。静電容量式タッチパネルを採用

■4,096×2,160/24p撮影などに対応

動画撮影は前述のように4Kにも対応し、システム周波数設定も導入。NTSC(59.94Hz)/PAL(50.00Hz)/CINEMA(24.00Hz)といった映像方式を1台でサポートする。さらに、スロー/クイック効果を得られるVFR(バリアブルフレームレート)撮影では、最大96fpsのセンサー読み出し、最大13パターンのフレームレート設定が行える。

4K動画対応の詳細/4K対応以外も充実の動画機能
動画はMOV/MP4/AVCHD/AVCHD Progressiveで記録可能で、4K撮影はMOVとMP4が対応。システム周波数24.00Hz選択時に4,096×2,160で、それ以外の周波数選択時は3,840×2,160での記録が行える。3,840×2,160記録時は最大29.97pでの記録に対応している。

様々な動画フォーマットに対応

バリアブルフレームレートなどにも対応

なお、動画記録においては記録可能時間や容量の制限はなく、4K動画でもSDカードの容量の限界まで続けて撮影できる。ただしAVCHDでの動画撮影時は異なるシステム周波数で同一のSDカードに記録することはできない。

画質選択メニュー

動画撮影においては「16-255」「16-235」だけでなく、写真と同じ輝度レベル「0-255」での記録も可能。そのほかインターバル撮影やコマ撮りアニメなども作成できる。

HDMI出力モニタリングスルーでは、カメラ本体で動画記録中に4:2:2、8bitを同時出力可能。動画記録をしない場合は4:2:2、10bit映像の出力に対応している。

そのほかゼブラパターンやフォーカスピーキング、センターマーカーなどの動画撮影アシスト機能も搭載。シンクロスキャン、マスターペデスタル、シネライクガンマといった映像制作用画質調整機能も備えている。

また、ステレオガンマイク「DMW-MS2」や、業務用アクセサリーのインターフェースユニット「AG-YAGHG」などのアクセサリーも用意。「AG-YAGHG」を使用することで、SDI出力やXLE音声入力にも対応するなど、業務用の映像制作分野にも使用できる拡張性を持たせている。なお、業務用の機能としてタイムコード記録などにも対応している。

ガンマイクなどのアクセサリーも用意

■新センサーと新エンジンでさらなる高画質化を図る

新イメージセンサーは、高感度、広ダイナミックレンジ性能に合わせて、高速読み出し処理が可能となったという。これにより連写性能の向上、動画や電子シャッター時の歪み現象(ローリングシャッター現象)を低減させるとしている。

新ノイズリダクション処理「新マルチプロセスNR」
新ヴィーナスエンジンでは、ノイズの周波数に応じて最適なノイズリダクション処理を施す「新マルチプロセスNR」を搭載。特に高感度においてGH3比でISO感度1段分のS/N改善を実現したという。

DMC-GH4の特徴概要

最適設計を施したというローパスフィルターと、広帯域輪郭強調(アパーチャ)フィルターを搭載。両者の組み合わせでLUMIXレンズの解像性能をさらに引き出し、これによってモアレを抑圧しながら、限界解像性能をGH3比で最大15%向上させている。

天面の様子

GH3から様々な面で機能を強化

また、階調性能は演算精度を強化した新ガンマ補正処理と、イメージセンサーの持つ広ダイナミックレンジ特性との組み合わせによって、特に低ISO感度側で自然なトーンの描写が可能になったという。加えて、色再現においては、従来比約30%の色補正精度を向上させた3次元色コントロールによって、微妙な肌の色合いや新緑の緑、ヌケのよい青空の色を忠実に再現するとしている。

分解モデル

マグネシウム合金の採用などで剛性を高めている

■独自空間認識技術「DFDテクノロジー」で高速AF実現

また、レンズのぼけ度合い(デフォーカス特性)を使って瞬時に距離を検出する独自の空間認識技術「DFD(Depth From Defocus)テクノロジー」を業界で初めてカメラに搭載。同技術による新方式の「空間認識AF」によって、オートフォーカス機能を向上させた。0.07秒というAF合焦速度を実現したほか、AF追従性能も向上させているという。

DFDテクノロジーは動画撮影時も有効
このDFDでは、ピント位置の異なるライブ画像から常時、高速で空間情報を認識し、その空間情報から距離情報をデータ化。新ヴィーナスエンジンで物体までの距離を高速で演算する。ピント位置付近まで最高速で移動した後にコントラストAF方式で微調整することで0.07秒という高速AFを実現させた。なお、空間認識AFは動画撮影時も有効。

新たな空間認識技術によってAFをさらに高速化


そのほか、連写性能は秒間12コマを実現。連続撮影枚数もJPEGで100コマ、RAWで40コマを実現している。なお、カメラボディにはマグネシウム合金を採用。各部シーリング構造による防塵防滴設計も行うなど耐久性にも配慮している。

なお、CP+のパナソニックブースでは、「LUMIX GM」で、女優・綾瀬はるかさんを撮りおろした写真や、高精細約276万ドット相当チルト可動式LVF搭載の高性能ミラーレス一眼カメラ「GX7」で撮影されたストリートフォトの高品質プリントを展示。パリの有名セレクトショップ「colette(コレット)」とのコラボレーションによる、LUMIX GM「colette」限定モデル(参考出展)、42.5mm F1.2「NOCTICRON(ノクチクロン)」 LEICA DGレンズなどが出展されるとのことだ。

新レンズの参考出展も

また、同社ではデジタルイメージング分野においてデジタルハリウッド大学と共同研究に取り組むことも発表。共同でLUMIX GH4をはじめとするイメージング機器の活用研究を進めるほか、同大学によるイベント撮影や4Kショートフィルム制作、ライブストリーミング配信など様々な実証実験を通したコンテンツ研究現場の超えを製品開発に反映させていくという。

■「LUMIXは新たなステージに進化する」

メディア向け説明会であいさつしたパナソニックAVCネットワークス社イメージングネットワーク事業部の杉田卓也氏は、2006年にデジタル一眼市場に参入以来、静止画と動画の融合する新しい可能性を「ハイブリッドフォトグラフィー」というコンセプトで提案してきたことなどを改めて紹介。

パナソニック 杉田氏

映像制作のプロからも高い評価を集めるLUMIX
「映像制作のプロの現場でもデジタル一眼カメラの活用は拡大しており、『DMC-GH3』も多様なコーデック対応と高い映像クオリティを評価いただいて多くの方に愛用いただいている」と述べ、LUMIXの動画撮影機能が高い評価を集めているとアピールする。

GH3は映像のプロにも高い評価を受けていると紹介

そして「4K動画の世界は今後の映像表現を大きく変え、新たな文化を創造するイノベーションになると考えている」とコメント。モニターやカムコーダー、BDレコーダーなど様々な4K対応機器に今回のDMC-GH4を加え「本格的な4K映像世界をパナソニックの4Kワールドとして展開し、強みを発揮していく」とした。

パナソニック全体として4Kワールドを展開

なお、GH4の発売地域については「詳細を言える段階ではないが、今までLUMIXを販売してきている地域には従来通り投入していくだろう」と説明。

また、ターゲット層について、静止画ではフィールドカメラマン、動画はプロやハイアマチュアに加え、「アメリカでは、ハイブリッドフォトグラフィーという、動画と静止画を融合させた映像表現がある。こうした方々もターゲットだと考えている」とコメント。「GH3以来、動画と静止画の融合を訴求してきた。この特徴を活かして、4K動画の世界を開拓していきたい」とした。

そして、「LUMIXは新たなステージに進化する」と宣言。これまでは「デジタル時代の新たな写真文化の創造」を事業コンセプトに掲げていたが、今後は「デジタル時代の新たな写真・映像文化の創造」と、写真だけでなく「映像」も加えると説明。進化するLUMIXにご期待いただきたい」と述べた。

「デジタル時代の新たな写真・映像文化の創造」を目指す

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