世界最大級の家電イベント「IFA」、2026年は9/4開幕。CEOが来日会見で市場動向など解説

毎年9月にドイツ・ベルリンで開催されているコンシューマー・エレクトロニクス・ショー「IFA」。同イベントを運営するIFA Management GmbHのLeif Lindner(ライフ・リントナー)CEOが来日し、今年2025年の状況を振り返るともに、次回以降の見通しを説明した。
2025年のIFAは出展も参加者も前年超えを達成。来年は9月4日開幕
「Inovation For All(すべての人にイノベーションを)」を理念に掲げて展開しているIFA。2025年は来場者数(22万人)も出展社数(1,900社)も前年比5%増、小売バイヤーの参加率(67%)も前年比10%増となったことが説明された。日本からの来場者も58%増だったという。

なお、ホームアプライアンス(家電)とコンシューマエレクトロニクスとの出展構成比率は42%対58%と、ほぼ均等だったとのこと。出展企業の数は、開催国であるドイツ以外だと中国や韓国、イギリス、アメリカ、オランダが上位だった。
また、販売店関係者向けの「リテール・リーダーズ・サミット」や、インフルエンサーなどに向けた「クリエイターハブ」、優れたブランドを表彰する「IFAイノベーションアワード」など、今年からスタートさせた新たな取り組みにも言及。こうした取り組みの甲斐もあり、メーカーや販売店のトップブランドが世界各国からIFAに集まったと語る。

リントナー氏は「IFAは、最先端のプロダクトとブランドを厳選した、より質の高い展示会に進化した」とアピール。「重要なのは売上の最大化ではなく、適切なパートナーを世界中から迎えることだ。それによって、必要な人々に、必要なものを届けることができる」とIFAの役割について述べる。
会場となっているメッセ・ベルリン、およびベルリン市とは、IFA開催に関する契約を2034年まで延長したとのこと。次回2026年は9月4日から8日での開催となるという。「今後もIFAは常に新しい可能性を求めて、イノベーションのドライバーになっていきたい」とリントナー氏は語った。
また日本との関わりについてリントナー氏は、「今年は大阪万博の影響でJETROの協力が得難かったが、次回に向けて日本の企業にもさらに広く参加を呼びかけている」と説明。「クオリティが高く非常にイノベーティブなのに、まだ世界に知られていない企業が日本にはたくさんある。そうした企業にIFAをぜひ利用してほしい」と期待を寄せた。
世界や日本の市場動向データも解説
会見では、世界や日本の市場動向についても解説。2025年のテクノロジー/耐久消費財市場は中国や新興国に牽引される形で成長基調へ回復しているという。

日本市場については、AV機器はマイナス成長だったものの、Windows 10のサポート終了に伴う買い替え需要があったIT分野が大きく延びたことなどでトータルでは4.6%増の成長になったと紹介。

また、2025年上半期の成長率がオフライン(実店舗)は2.9%のマイナスだったのに対して、オンラインは9.5%のプラスであったことや、TikTokがアプリ内EC機能「TikTok Shop」を日本でも6月にローンチさせたことなどにも触れ、製品の販売チャネルが多様化していることも解説した。



