<IFA>存在感増す中国企業。「重要なのは国籍ではなくイノベーティブかどうか」運営CEOリントナー氏が語る

ドイツのベルリンで開催された世界最大級の家電・エレクトロニクス展示会「IFA2025」。同イベントを運営する「IFA Management GmbH」のCEOであるライフ・リントナー(Leif Lindner)氏が、今年のIFAが開幕してからの状況について語った。
出展も来場者も前年超えで好調なスタートを切ったIFA
9月3日(現地時間)に開催し、オープニングプレスカンファレンスにて「全スペースが売り切れた」と今年の出展状況を紹介したリントナー氏だが、実は昨年よりも出展スペース数を増やした上での売り切れだったとのこと。
実際の来場者数も「開幕初日は前年比で10%増という実績だった」と好調な滑り出しを見せ、ビジネス目的の来場者に限れば15%増だという。
リントナー氏は「AMDやサムスン、Acerといった世界的な企業が、新戦略や新製品について大きな発表を行ったことも今年の特徴だ」とIFAの開催意義はますます高まりつつある。
昨年のように「開催から100周年」というわかりやすい大きな話題はなかったが、蓋を開けてみれば昨年超えの好調さだという。
また、昨年に続いて「Creator HUB」(※昨年は「Content Creator Hub」)と銘打ったスペースを用意し、今年はTikTokともコラボレーションするなど、クリエイターやインフルエンサーを意識した取り組みにも力を入れた。
その効果もあり、クリエイターとインフルエンサーの参加者数は約3倍にも増加したとリントナー氏は説明した。
存在感を増す中国企業。多様性確保のための取り組みは?
TCLやハイセンスが大きなプレスカンファレンスを開催したり、会場の入口にはハイアールやMidea(マイディア/美的集団)の巨大な広告が掲出されたりするなど、中国企業の存在感がますます大きくなっている印象を受けるIFA。
実際に取材していても、いたるところで中国企業と思しきブースに遭遇し、記者も世界における中国企業の勢いをあらためて実感する。
しかし、出展社数としてはむしろ抑制的だとのことで、「例えば、グローバルマーケット(※IFA内イベントのひとつ)の状況で言えば、昨年は8割以上が中国企業だったが、今年は6割ほどになっている」とのこと。
「もちろん中国の企業を排除しようとしているわけではない。重要なのは、どの国の企業なのかということではなく、イノベーティブな企業かどうかということ。そういうイノベーティブな企業をIFAは歓迎するということだ」。
そして、IFAの多様性を確保するべく「私も日本や韓国、台湾を頻繁に訪れて、それらの地域の企業を積極的に誘致している」と説明。そして、日本をIFAの “パートナー国” として扱い、日本企業の参加を促す考えもあるという。
実はこの “パートナー国” は今年から実施しようとしていたものだが、日本が大阪・関西万博開催の影響もあり、反応が鈍くなりそうだったために延期したとのこと。来年こそ取り組みをスタートさせ、日本企業を積極的に誘致する予定とのことで、IFAが日本を重要視している姿勢をあらためて示した。
