【ヘッドフォン祭mini】nwm「耳スピ」スター・ウォーズモデル/SeeAudioは予価100万円イヤホン/RMEの電源フィルターがイベント初出展
イヤホン・ヘッドホンやDAPなどポータブルオーディオ関連ブランドが集まるイベント「夏のヘッドフォン祭 mini 2025」が、本日7月5日(土)にステーションコンファレンス東京で開催された。本稿ではミミソラ・オーディオ、RME、nwm、Thyris Electronics、acoustic effectのブースレポートをお届けする。

Geekwoldの新イヤホン2種のプロトタイプが参考出品。aune audio新フラグシップヘッドホンも
ミミソラ・オーディオのブースでは、SeeAudioやaune audio、Geekwoldなど同社取り扱いブランドの製品を一挙ラインナップされた。
注目は、Geekwoldブランドの複数の参考出展品。3BA+2ピエゾ+1プラナー+1DDドライバー搭載イヤホン「GK20Pro」と、8BA+2ピエゾ+1プラナー+1DDドライバー搭載のフラグシップイヤホン「GK300Pro」のプロトタイプが初出品されていた。担当者によれば、今週にデモ機が到着したばかりのホヤホヤの状態とのことだ。

GK20Proは、前モデル「GK20」の特徴であった低域再生を踏襲しつつ、新たにダイナミックドライバーの振動板を変更したことで、より深い低域が出るようになったとのこと。
GK300Proもダイナミックドライバーの振動板が変更されたほか、新たにクライオ処理を施したケーブルが採用されたことで、より解像度が向上したとのこと。なお、これらはプロトタイプのため今後もサウンドチューニングは行っていく予定だという。発売時期、価格は共に未定。


aune audioからは、参考出品として、先日開催された「OTOTEN2025」でも出品されていたヘッドフォンシリーズ “ARシリーズ” の新フラグシップモデル「AR9000」のプロトタイプが試聴展示された。

ブランド初のヘッドホン「AR5000」の上位モデルという位置づけになっており、ドライバー構成などはAR5000の開放ダイナミック型のシングルドライバー設計を踏襲しているとのこと。上述のOTOTEN含め参加者からの反応として、「派手さというよりも丁寧なサウンド表現を評価いただいてる」と語ってくれた。発売時期は2025年後半予定で、価格は未定。
続いて、シングルダイナミックイヤホン「IR3000」のプロトタイプも登場。日本製のガラス振動板を搭載しているのが特徴とのことで、金属筐体とガラス振動板の組み合わせによる高解像度で、かつバランスの良いサウンドが特徴だと説明してくれた。発売時期は同じく2025年後半予定、価格は未定だが、おおよそ2万円程度を想定しているという。

さらに、独自の「ナチュラルファイバー振動板」を搭載するオンイヤー型ヘッドホン “ACシリーズ” から、耳かけタイプのヘッドホン「AC55」のプロトタイプも展示された。ファイバーダイアフラムを採用したダイナミック型ドライバーを搭載しており、発売時期は未定。価格も未定だが、担当者によれば2万〜3万円程度を想定しているとのことだ。

SeeAudioからは、予定価格100万円だという1DD+9BA+4EST構成のハイブリッドイヤホン「Mobius」が参考出品された。現地では派生のハイエンドブランドSeeApexの製品として展開されているとのことで、販売経路を含め諸々を検討中の段階とのことだった。

また、新製品では6ウェイ/9ドライバー構成のハイブリッドイヤホン「KAGUYA2」も展示。そのほか、本日発売した634earsのイタヤカエデのオープン型筐体を採用したダイナミック型イヤホン「MIROAK-II(OP)Japan Limited」も試聴できた。


RMEの電源フィルター「LNI-2 DC」がイベント初出展
RMEのブースでは、AD/DAコンバーター「ADI-2/4 Pro SE」「ADI-2 DAC FS」が展示され、ヘッドホンやイヤモニでの試聴、iPhoneやUSBメモリなどの音源の試聴といった、手持ちの機器を使用しての試聴体験が行えた。

また、今年2月発売の電源フィルター「LNI-2 DC」がイベント初出展。「ガルバニック絶縁」技術と、RME独自の「μFilter(マイクロフィルター)」技術を搭載したアクティブDCフィルター兼スタビライザーとなっており、9V〜18VのDC電源入力に対応。電源由来のノイズや干渉を排除して、クリーンな12.0V DC出力を実現すると説明してくれた。

なお、基本的にはADI-2シリーズで使用する想定だが、適切な使用範囲であれば他メーカーの製品でも使うことができるとのこと。ブース内では、実際にAD/DAコンバーターADI-2 DAC FSを2台用意し、LNI-2 DC接続時との音の比較が行えた。

さらに、ADI-2/4 Pro SEに搭載されるMM式カートリッジのレコード・プレーヤーを直接接続できる「RIAAモード」を実際に体感できる展示として、テクニクスのレコード・プレーヤーをADI-2/4 Pro SEに接続してのヘッドホン試聴が可能になっていた。

そのほか、昨年のリリース開始からさらに操作性が向上したというADI-2シリーズ、ADI-2/4 Pro SE専用のコントロール・ソフトウェア「ADI-2 Remote」を試せる展示も用意。デバイスの全ての機能をコンピューターやiPadの画面から操作でき、設定のバックアップや、異なるデバイス間での設定共有が可能。EQなどの設定を操作しながら、ADI-2シリーズやADI-2/4 Pro SEでの試聴が楽しめると形になっていた。


nwm ONE『スター・ウォーズ』限定モデルがパッケージと共に登場
nwmブースでは、VGP2025 SUMMERで企画賞、部門金賞を獲得した、ブランド初のアクティビティ向け “耳スピーカー” 「nwm GO」や、昨年7月に発売されたブランド初のオープンイヤー型オーバーヘッド耳スピーカー「nwm ONE」をはじめとした “耳スピ” シリーズ製品を中心に展示。

nwm GOは、新たにワークアウトやレジャーなどのアクティビティを充実させるために開発したとするネックバンド型モデル。独自の音漏れ防止技術「PSZ(Personalized Sound Zone)」の搭載や、本機に最適化した新開発の12mmダイナミックドライバーを搭載しており、全帯域にわたって音漏れを抑えながら、ボリュームのある低域とバランスの良い中高域が楽しめるのだという。

また、nwm ONEの『スター・ウォーズ』デザイン限定モデル「nwm ONE Star Wars edition」もあわせて展示。『スター・ウォーズ』の世界観における「光と闇」の構図を重ね合わせ、ライトグレイを自由と希望を象徴する反乱軍モデル、ダークグレイを秩序と力を象徴する帝国軍モデルとして開発されたと説明する。

音声ガイダンスに実際の劇中サウンドを採用しているのが大きな特徴で、起動時には離陸音、ペアリング時には索敵音を用いるなど、右ハウジングに各軍の戦闘機をデザインしていることにちなんだボイスが搭載されているとのこと。担当者によれば「スター・ウォーズファンからも概ね好評の声が届いている」と語ってくれた。


そのほかにも、オープンイヤー型完全ワイヤレス “耳スピーカー” 「nwm DOTS」などがラインナップ。また、来訪者にはオリジナルうちわやステッカーなどのノベルティ品が配布されていたほか、対象製品購入で最大10,000円キャッシュバックキャンペーンなども展開されていた。


Thyris ElectronicsのMCカートリッジ専用フォノイコライザー参考出品
Thyris Electronicsでは、世界最高クラスの超低雑音を実現したというFET入力、MCカートリッジ専用のフォノイコライザーとして、先日完成したばかりだという新フォノイコライザーが初出展された。

以前の試作機に無かった機能として、新たにサブソニックフィルターが追加。このフィルターには信号経路にコンデンサを挿入しないアクティブ型の回路を採用しており、回路の切り替えには接点が密閉されたリレーを使用することで、マイコン制御で行うのだという。外観面はカスタマイズが行える仕様を検討しているとのことだった。発売時期は8月頃、価格は20〜25万円予定だという。


acoustic effectの新1BAイヤホンが試聴展示
acoustic effectのブースでは、耳への装着感に重点を置いて設計した漆黒デザインの新1BA搭載イヤホン「YSM-F07/M」が試聴展示された。

サウンド傾向として、シングルBA構成でありながら、メリハリ感と力強さに富んだ低域の再現力が特徴とのこと。実際にユーザーからの声として、「シングルBAとは思えない低域と高解像度なサウンドが好評」だと担当者は語ってくれた。
